20年に一度、社殿を建て替え装束や神宝などをすべて新調する「式年遷宮」を2013年に控え、「伊勢神宮」への関心が高まっていることから、伊勢神宮の衣食住について詳しく書かれた「伊勢神宮の衣食住」(矢野憲一さん著)が4月25日、角川ソフィア文庫から発売された。
同書は、前回の式年遷宮(1993年)を前に1992年12月に東京書籍から刊行されたものを、今回の式年遷宮に合わせて、わかりやすく修正・加筆し、文庫本サイズで重版したもの。価格は740円。
内容は、新調される装束や神宝について、神宮では黒白の幕も「おめでたい」こと、1500年間毎日朝夕欠かさず神に食事(神饌)を供える神事について、式年遷宮がなぜ20年ごとに行われるか――などについて興味深く説明する。
著者の矢野さんは、40年間伊勢神宮に禰宜(ねぎ)として奉職し、現在はNPO法人五十鈴塾塾長を務める。主な著書に「伊勢神宮-知れれざる杜のうち」(角川選書)、「伊勢神宮-日本人のこころのふるさとを訪ねて」(講談社)、「ものと人間の文化史」シリーズ「鮫・鮑・枕・杖・亀」5冊(法政大学出版局)などがある。
矢野さんは「伊勢神宮では1500年間毎日朝夕雨の日も風の日も欠かすことなく神様にお食事をお供えしている。人間誰もが食事をすることは『あたりまえのこと』で、伊勢神宮もそれを当たり前に1500年間続けている。『衣食住』は身近にあって普段は余りありがたさを感じないもの。本書が、その『あたりまえのこと』を考え、探求するきっかけになれば」と話す。
20年に1度の伊勢神宮「鎮地祭」(伊勢志摩経済新聞)男性誌「Z」で伊勢神宮を特集(伊勢志摩経済新聞)「伊勢神宮の衣食住」(角川ソフィア文庫)矢野憲一さんの著書(Amazon)式年遷宮公式サイト