昨年、木村拓哉さん主演のTBS系ドラマ「華麗なる一族」の舞台にもなり話題を集めた近畿日本鉄道「都ホテルズ&リゾーツ」グループの志摩観光ホテル(志摩市阿児町、TEL 0599-43-1211)が10月10日、全室スイートルームの高級リゾートホテル「志摩観光ホテル ベイスイート」を新たに開業する。同日、それまでの旧施設を「志摩観光ホテル クラシック」と改称し2館体制で新たなスタートを切る。総支配人は鳥居正彦さん。
「志摩観光ホテル ベイスイート」レストラン「ラ・メール」から眺める英虞湾。
1951年(昭和26年)開業の同ホテルは、皇室関係者や著名人も利用する格式高いホテルとして、また地元の新鮮な魚介類をメーンとした「海の幸フランス料理」が評判のホテルとして世界から注目されてきた。立地は伊勢志摩国立公園内、真珠いかだ浮かぶ英虞湾の中心に位置する賢島(かしこじま)に建つ。英虞湾に沈む夕景を眺めながらレストラン「ラ・メール」で黒アワビのステーキを食べることがステイタスとして多くのメディアでも取り上げられた。
新たに開業する「ベイスイート」は、地上5階地下1階建て、延べ床面積1万1,000平方メートルで、総工費約48億円を投じた。全客室50室が、リビングとベッドルームからなるスイートルームで大きな窓からは英虞湾を一望できる。客室面積(約100平方メートル~200平方メートル)は国内のリゾートホテルでは最大級の広さを誇るという。内装設計には世界の高級ホテルのデザインを手がけるハーシュ・ベドナー・アソシエイツ社(米)を起用。客室のバスアメニティーには国内リゾートホテル初導入となるヨーロッパのトップブランド・クラランス社(仏)を採用、館内のスパ施設も「eau SPA by CLARINS(オー・スパ・バイ・クラランス)」としてクラランス社のサービスが受けられる。
注目を集めるフランス料理は、「ベイスイート」のレストランを「ラ・メール」、「クラシック」のレストランを「ラ・メール クラシック」と改称し、両レストランの総料理長に宮崎英男シェフ、「ベイスイート」料理長に37歳女性の樋口宏江シェフを起用。共に前任の5代目総料理長・高橋忠之さんの料理哲学、芸術性を受け継ぎ新たな調理法で「ベイスイートスタイル」の確立を目指す。
同7日に行われた内覧会でのパーティーでは、同ホテルの代表料理「伊勢海老のクリームスープ」をベースにしたベイスイートオリジナルスープや、伊勢産の蓮台寺柿(れんだいじがき)、大王・波切漁港で水揚げされたスズキを使った「ヒラスズキの『カフェ・ド・パリ』志摩風蓮台寺柿添え」など、「ベイスイート」で提供予定のフレンチも並んだ。
樋口料理長は「これまで培った伝統的な料理の基本を引き継ぎながら、お皿の上の表現方法を変え、『ベイスイートスタイル』を確立したい」と意欲をみせる。内覧会に招待された女優の竹下景子さんは「とても豪華なホテルで自分へのご褒美に泊まりたい」と感想をもらした。
「ベイスイート」の客室料金(1室料金)は、スーペリアスイート=69,000円~89,000円、ロイヤルスイート=210,000円。1泊2食1人料金はスーペリアスイート=48,000円~58,000円。チェックイン14時、チェックアウト11時。