伊勢文化舎（伊勢市神田久志本町1474、TEL 0596-23-5166）は地域文化誌「伊勢人（いせびと）」No.153秋の号を10月1日から発売する。

　もともと「伊勢志摩」の名称で地域情報誌としてスタート。同誌114号から現在の名前に変更し、伊勢志摩地域から枠を広げ三重県全域の文化に脚光を当て記事にしている。今年で創刊25年目を迎えた。同誌124号では映画監督小津安二郎が青春時代に三重県で生活していたことから特集として取り上げ、小津ブームの火付け役にもなった。

　153号では、志摩市出身の洋画家「平賀亀祐（ひらがかめすけ）」（1889年～1971年）を取り上げ、平賀の作品を紹介している。そのほか平賀の「画業で成功する」という信念を貫き通した精神を自叙伝「一本の釘」からも引用し紹介している。また絵の所有者には期間限定で一般公開してもらい伊勢志摩地域を「平賀美術館」にみたてた企画も同時に働きかけた。

　編集長の中村賢一さんは「忘れ去られようとしていた志摩出身の平賀さんを取材し、たくさんの人が絵を所蔵していることに驚いた。当時それだけ愛されていたことが証明された。今回の特集が新たな文化の創造につながれば」と話している。

　同誌は1冊600円で隔月刊・偶数月1日に発行。三重県下の書店と同社ホームページで販売している。

「伊勢人」伊勢文化舎