世界で初めて養殖真珠の発明に成功し「パールキング」となった御木本幸吉翁の出身地=鳥羽市で、幸吉翁生誕150周年の記念事業が展開されている。主催は、御木本幸吉生誕150周年記念事業実行委員会(事務局=鳥羽市役所観光戦略室)。
真珠19,000個を使用して作られた「姫路城」(実物の約90分の1)
幸吉翁は、1858年(安政5年)3月10日、志摩国鳥羽町(現鳥羽市)大里に父音吉、母もとの長男として出生。1893年(明治26年)に相島(現ミキモト真珠島)で半円真珠の養殖に成功し、1899年(明治32年)東京・銀座に「御木本真珠店」を開店し、現在のミキモトブランドを築く。1954年(昭和29年)96歳で死去。今年がちょうど生誕150年にあたる。
幸吉翁の功績を称えようと地元鳥羽市でさまざまな記念事業が予定されている。11月7日には、ミキモト真珠島を舞台に記念式典を開催。鳥羽にゆかりの深い落語家・桂三枝師匠と鳥羽水族館・中村幸昭(はるあき)名誉館長による記念座談会、女流書道家・矢部澄翔さんのパフォーマンス書道と音楽のコラボレーションを予定。
同30日には、地元主婦らで作る市民劇団「かたらづか劇団」による「御木本幸吉生誕150周年記念劇『輝きに見せられて!!』…その時歴史を動かした…」と題した演劇が鳥羽市民文化会館大ホールで、同29日には、ミキモト真珠島や日和山等、幸吉翁ゆかりの地をガイドボランティアと一緒に歩いて楽しむウオークラリー(スタンプラリー)などが予定されている。
ミキモト真珠島では、真珠19,000個を使用して作られた「姫路城(実物の約90分の1)」を特別に展示した生誕記念展「姫路城-受け継がれる真珠のおもい」を開催している(12月7日まで)。ミキモト(東京都中央区)も御木本幸吉生誕150年を記念した公式サイトで、幸吉翁の功績、エピソードなどを紹介している。