伊勢の老舗かまぼこ店「若松屋」(伊勢市下野町、TEL 0596-31-0123)のオリジナル商品「横綱ひりょうず」(315円)が口コミで人気を集めている。
チーズ棒が3~5分で揚がるのに対して、できあがりまで15~20分かかる若松屋「横綱ひりょうず」
「ひりょうず」は、「飛竜頭」とも書き関東名では「がんもどき」のこと。豆魚のすり身をベースに9種類の食材(シイタケ、ニンジン、キクラゲ、ゴボウ、タケノコ、ワカメ、ヒジキ、枝豆、ウズラの卵)を入れた練り物を、米ぬかから抽出した米油150度で15分~20分揚げた商品のこと。
「1つ食べると、お腹いっぱいになる。真ん中にあるウズラの卵がポイントで、もともと龍池山・松尾観音寺(伊勢市楠部町)毎月18日に開催される市で、同寺に伝わる龍神伝説から『竜』にあやかり飛竜頭として販売したのが始まり。ウズラの卵は竜の目玉をイメージしている」と同社専務の美濃松謙(みのうまつのり)さん。
「最初は、地元の人がおかげ横丁店でも『ひりょうず』を販売してほしい――と要望を受けて提供していた。次第に口コミで広がり、津市や松阪市から同商品の購入を目的にわざわざ来ていただけるようになった。さらにインターネットからの注文も増えていった。ある時、歌手の福山雅治さんがファン限定会報誌内の企画で全国のお取り寄せ商品の中から選び、おいしくて『ひりょうず』を2個も食べた――という話を聞きブレークに拍車がかかった」(美濃さん)と振り返る。
今では同商品目当てに大阪から同店を訪れ100個を購入する客もいるほどで、現在月1万個以上を販売する。月2万個以上を販売する同社の人気商品「チーズ棒」(315円)を追撃中。
同社は昨年12月24日、中小企業基盤整備機構の「地域産業資源活用事業」の認定を受けた。営業時間は、おかげ横丁店=9時30分~17時(10~3月)、9時30分~18時(4~9月)、本店=8時30分~18時。