伊勢のおかげ横丁(伊勢市宇治中切町)かいわいに毎月1日の早朝にだけできる「3大行列」が3月1日、雨が降る天気にもかかわらず復活した。
若松屋店頭で実演販売する「伊勢はんぺい」、雨にもかかわらず長蛇の列。
「3大行列」は、伊勢の老舗かまぼこ店「若松屋」(伊勢市下野町、TEL 0596-31-0123)の手作り「伊勢はんぺい行列」と、「手こねずし」や伊勢芋を使った「麦とろろ」など伊勢路の田舎料理を提供する「すし久」(宇治中切町、TEL 0596-27-0229)の「朝粥行列」と、赤福本店(同、TEL 0596-22-2154)の「朔日餅(ついたちもち)行列」。
「伊勢はんぺい行列」は、古くから伊勢に伝わる「伊勢はんぺい」(150円)で、雑誌「ブルータス」(マガジンハウス)の「日本一おいしい『お取り寄せ』はこれだ!」で紹介されるほど。1枚1枚すべて手作りで仕上げ、気泡材などは使用せず山芋ですり身をやわらかくのばし、幼児のほっぺのようなプニプニとした弾力をもつ。毎月1日の日だけ店頭で実演販売を行う。
「朝粥行列」は、3月のメニューは「めかぶ雑炊」(600円)。毎月ごとにメニューを変え「朝粥」を目当てに来る客も。そのほかのメニューは、1月=新春朝粥、2月=朝熊小菜粥、4月=荀粥、5月=えんどう粥、6月=鮎雑炊、7月=もち麦粥、8月=あなご粥、9月=しめじ雑炊、10月=十三里粥、11月=かき雑炊、12月=冬至粥。それぞれに月ごとに行列ができる。
「朔日餅行列」は、毎月1日に限定で販売してきた朔日餅。3月のメニューは上質の国産ヨモギを使った「よもぎ餅」(10個入り=1,000円)で、季節ごとでメニューが変わる。5月以降の販売は未定だが、4月の朔日餅は「さくら餅」(6個入り小箱=720円、10個入り大箱=1,200円、赤福本店店内のみ2個入り盆=240円)を販売予定。
名古屋から来たカップルは「毎月の楽しいイベント。雨が降っても車を走らせる。参加できないとその月が(気分的に)乗れない(笑)」と話す。津から来た男性グループは「朔日餅と朝粥の行列には欠かさず並んでいる」と常連ぶりをアピールした。
若松屋の店頭で伊勢はんぺいを作っていた従業員は「毎月1日に伊勢神宮に参拝する風習『朔日参り』のきっかけになれば」と笑顔で応える。