志摩半島野生動物研究会(志摩市志摩町越賀、TEL 0599-85-3744)などは10月29日、「第9回志摩半島野生動物シンポジウム」を志摩市商工会館(志摩市阿児町鵜方)で開催した。同研究会は、アカウミガメの産卵やスナメリなどの希少動物の生息調査、和具大島のユッカランの駆除など、三重県内の自然環境の研究、保護の活動を行っている。
開催は伊勢志摩国立公園の指定60周年を記念したもので、シンポジウムのテーマは「伊勢志摩国立公園の野生動物」。約70名が参加した。
当日は「伊勢志摩国立公園のイルカとウミガメ」(同研究会=若林郁夫さん)、「伊勢志摩の哺乳類・爬虫両生類」(三重自然誌の会=清水善吉さん)、「伊勢志摩国立公園の海岸植物」(同研究会=半田俊彦さん)、「神宮林の野鳥」(日本野鳥の会三重県支部=杉浦邦彦さん)、「志摩市和具大島のウチヤマセンニュウ」(同研究会=中村さん)、「伊勢志摩の甲虫相について」(三重県昆虫談話会=生川展行さん)、「伊勢志摩地域の陸産貝類」(南勢ため池・生物研究所=中優さん)、「伊勢志摩国立公園の外来生物」(同研究会=山本祥輝さん)の8項目の研究プログラムが披露され、質疑応答も行われた。
日本野鳥の会三重県支部の杉浦さんは「兵庫県の豊岡市ではコウノトリが一度激減したが、地域住民の田んぼや河川の再生活動で保護・増殖に成功した。自然環境には、地域住民の協力が最も必要」と話していたほか、同研究会の若林さんも「地域住民、行政との協力で、伊勢志摩の動植物の生息環境の保護、共存を進めていきたい」と地域住民の協力の必要性を説明した。