さまざまな自然条件が揃った時にだけ出現するという珍しい自然現象「太陽柱=サンピラー(sun pillar)」が11月21日、志摩の海から出現した。伊勢志摩地方の美しい自然や祭りなどを撮り続けるアマチュアカメラマンの堀松批佐さんのカメラのレンズにも太陽の柱が映った。志摩の横山展望台から観測。
光の柱はさらに太く美しくなっていった。志摩の海に「太陽柱(サンピラー)」
この日の日の出時刻は6時31分だったが、薄い雲が水平線の上を覆っていた。日の出時刻を過ぎると空が赤色から黄色、そして青色に変化していった。6時35分ごろ、朝日が出る方角に一筋の光が現れると、その光が集まり光の柱を作った。6時44分に朝日が現れると光の柱は約3分間輝き、その後何もなかったかのように消えていった。
その光の柱のことを「太陽柱(サンピラー)」と呼ぶ。大気中の氷の結晶に太陽の光が反射してでき、寒い日の早朝や夕暮れなどに見られる。偶然が重なりさまざまな気象条件が揃ったときにだけ、太陽から垂直に空に向かって光の柱が長く伸びる。
10月にも夕日のサンピラーを撮影した堀さんは「小さいサンピラーは何度か見たことがあるが、こんなに美しく長いサンピラーは今回で3回目」と話す。
1956(昭和31)年~1999(平成11)年3月まで志摩観光ホテル(志摩市阿児町賢島)に勤務した堀さんは、退職と同時にカメラを趣味に。「これまで観光産業に従事し生計を立てさせていただいた感謝の気持ちとして、少しでも伊勢志摩の観光産業に恩返しができれば――」と伊勢志摩の美しい風景や祭りなどを、5年前から自身のブログ「伊勢志摩つれづれ」「伊勢志摩の風景写真」で毎日更新している。
「今でも初めてここ(横山展望台)から見た富士山は感動的だった。本当に美しいこの伊勢志摩の自然を、現地に足を運んで直接見てほしい」(堀さん)とも。