広域通信制高校「代々木高校」(志摩市阿児町神明)の一風変わった入学式が4月17日、「志摩マリンランド」(同)のペンギン水槽の前で行われた。
ペンギン泳ぐ「志摩マリンランド」の水槽前で行われた入学式。ペンギン目線で。
同校校長の一色真司さんは「『多数決が常識、改良・改良・改良、改良こそがベスト』。常識の枠から外れると問題児?当たり前、正しいと思っていることは本当?『常識』とは?『常識』そのものを疑おう。既成概念を打ち破ることが重要」と2010年度同校の新入生に問題意識を持つことの大切さを訴えた。
キングペンギンやフンボルトペンギンなどが泳ぐ同施設の水槽前で開催される入学式は、既成概念を打ち破ることを新入生に示すねらいもあり、昨年に引き続き2回目となった。新入学、編入、転入生18人のうち12人が出席した。
伊勢志摩料理人コースに入学する東京都出身の加藤大智さんは、4月1日に津都ホテル(津市大門)に新入社員として入社式を終え、ダブルで新たな旅立ちの一歩を踏み出した。加藤さんは、水族館での入学式に戸惑いながらも「昨年代々木高校がテレビで取り上げられていたのを見て、高校に通いながら料理を習えることがとてもすばらしいと思った。伊勢志摩料理人コースに入学したおかげでホテルにも入社できた。頑張って勉強と仕事を両立したい」と意欲を見せた。
同校は2005年2月、構造改革特区法により学校建設設置基準の規制緩和を受け、元ホテルを利用し開校。生徒は志摩本校や各地に設置されたサテライト校で年間平均10~12日の授業を受け、インターネットなどを利用しレポートを提出、前期後期の計2回のテストを受け単位を取得する。