伊勢神宮の鬼門を守るといわれる金剛證寺(こんごうしょうじ)が山頂付近に建つ標高555メートルの朝熊岳(あさまだけ)から2013年の元旦に、直線距離で200キロを越える日本一の霊峰・富士山が観測できた。
有料道路「伊勢志摩スカイライン」の標高500メートルの位置にある山頂展望台には、「初富士」と「初日の出」を見ようと約2500人が詰め掛けた。東の方角には、眼下に鳥羽市の街並み、島々が点在する鳥羽湾が見え、三島由紀夫が「潮騒」の舞台にした神島(鳥羽市)が伊勢湾に浮かぶ。その神島の少し北寄りの方角に富士山が見える。
一方、南東の方角には、薄い雲が立ちこめているものの日の出時刻の7時を少し過ぎたところで雲の切れ間からオレンジ色の光を放ちながら朝日が顔を出した。山頂の人々は思い思いに写真を撮ったり、その場でツイッターやフェイスブックに投稿したりしながら、寒さを忘れてその場を楽しんでいた。
同道路を管理する三重県観光開発(津市)の西村さんは「今年は昨年よりも人手が多いように思う。天気が良く富士山も見ることができていい年になりそう」と期待を込める。
西村さんは「1月15日までの期間6時~19時までに開門時間を延長、また臨時バスを4日まで運行している。この機会に早朝の富士山を撮影しに来ていただければ」と話す。
広域伊勢志摩圏内の富士山観測可能スポットは、大淀海岸(多気郡明和町)から二見海岸(伊勢市二見町)一帯までの各所、朝熊岳(伊勢市朝熊町)「伊勢志摩スカイライン」展望台、鳥羽から志摩を走る観光道路「パールロード」の各所、安乗崎灯台(志摩市阿児町安乗)、大王崎灯台(大王町波切)付近、御座金比羅山(志摩町御座)頂上など。