「海女ブームの火付け役」とも言われる銅版画家の吉田賢治さん(志摩市志摩町、TEL 0599-85-6316)の展覧会が、伊勢現代美術館(度会郡南伊勢町、TEL 0599-66-1138)で開催されている。
1951(昭和26)年名古屋市生まれの吉田さんは、1987(昭和62)年から志摩に住み銅版画の創作活動を開始。地元で生活の中に溶け込んだ「海女」を、アートの中に表現し、新たな切り口で「海女」をとらえた芸術家として各方面でも活躍。「海女文化資料館」(鳥羽市相差町)や今話題のパワースポット「神明神社(石神さん)」(同)などのアートデレクションにもかかわり、今日の「海女ブーム」の火付け役になっている。
吉田さんは「初めて志摩に来て『海女』を見たときの衝撃は今でも忘れない。それ以来、とにかく『海女』を描き続けた」と海女をテーマにした自身の作品について話す。
展示作品は、白い磯着姿の海女や黒のウエットスーツを着た海女など20点。約60センチ×40センチの作品タイトル「あまをてらすものは」の4点は今年完成した新作。「(初めて海女を見て)衝撃を受けた時の原点に回帰し描き上げたもの」(吉田さん)と新作への思いを込める。「『あまをてらすものは』は伊勢神宮の天照大神と海女をかけた。生命を生む海と生命を産む女性は、ともに神秘的な存在で僕にとって永遠のテーマ」とも。
開館時間は10時~17時。水曜休館。入館料は、一般=500円、大学生・高校生=400円、小・中学生は無料。6月1日まで。「吉岡弘昭展」(7月13日まで)同時開催中。