デコレーショントラック(デコトラ)やアートトラックなどと呼ばれるきらびやかな電飾を施したトラック約250台が3月20日、「ちょんまげワールド伊勢 安土桃山文化村」(伊勢市二見町)に集結した。
同イベントは、デコトラを所有する約60人の会員を有する遊楽会(松阪市)による東日本大震災救援活動イベント。今年で23回目になり毎年チャリティー撮影会として伊勢の地で開催。阪神淡路大震災や新潟県中越沖地震などの大規模災害のときにも会をあげて応援し募金を集めた。
「チャリティーは当たり前」と言い切るのは同会相談役の青木主計(かずえ)さん。青木さんは地震発生後、知人から宮城県の養豚農家に飼料が届かないので助けてほしいと頼まれ14日、12トンの飼料と軽油ドラム缶4本(800リットル)とガソリン60リットルの燃料、車に積み込めるだけの食料を積み込み被災地へ向かった。「違反であることは十分承知の上、燃料も積み込んだ。帰りの燃料を残し、ドラム缶3本とガソリンと食料は被災地に救援物資として置いてきた。自分たちにできることをただやるだけ」という。
12時45分に開会、代表者の挨拶の後、会場全員で震災で亡くなった方々へ1分間の黙とうをささげた。同イベントで集まった義援金は約50万円。近く関係機関を通して被災地に届けられる。
日が沈み始めると「愛の積荷と夢乗せて夜の街道一人旅」「旅は道連れ世は情け夜の街道まっしぐら」などと書かれたトラックが色とりどりの電飾で光り輝いた。
同会事務局長の楠井雅人さんは「震災後すぐでイベントの中止も考えたが、今できることをしなければ――と思い決行させていただいた。被災者の皆さまにとってこれからまだまだいろいろなご苦労があると思う。僕たちは主に物を届ける仕事をしているが、物が届いたからといって心が豊かになるわけではない。軽々に言えることではないが、何かの糧をもって生き抜いていただければ」と慎重に言葉を選んだ。