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鳥羽の春祭りで子どもたちが狂言披露、貴重な組み立て式能舞台も

鳥羽の春祭りで子どもたちが狂言披露、貴重な組み立て式能舞台も

鳥羽の春祭りで子どもたちが狂言披露、貴重な組み立て式能舞台も

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 鳥羽の氏神でもある「賀多(かた)神社」(鳥羽市鳥羽2)と「大山祇(おおやまづみ)神社」(同3)で4月9日・10日の2日間、春を告げる「春祭り(例大祭)」が開催され9日には狂言が子どもたちによって演じられた。

賀多神社奉納舞台で狂言を演じる地元小学生

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 400年続く同祭りは、賀多神社の氏子にあたる岩崎町、本町、大里町の3町と、大山祇神社の氏子にあたる中之郷、錦町、横町、藤之郷の4町の住民らが協力し合いながら約20年前から同じ日に開催され、それぞれの祭りを盛り上げている。昔から賀多神社では桃山時代から続く能が、大山祇神社では獅子舞・天狗舞が行われている。

 鳥羽市能楽保存会と同市教育委員会は、祭りに合わせ賀多神社に残る組み立て式能舞台を組み立て披露した。舞台は、鏡板に1854年に作られたもので1712年から使用されたものを新しく作ったと書かれ歴史的にも貴重なものだという。1994年に三重県の有形民俗文化財の指定を受け、調査すると組み立て式能舞台は、広島県福山市の沼名前神社と同神社にしかないことがわかった。

 能楽・狂言は同保存会が中心となって5年前から継承、小学生を中心に活動し、祭りに合わせ練習を重ねてきた。当日はあいにくの雨で、賀多神社境内の舞台から市民文化会館大ホールに会場が変更されたが、子どもたちは堂々と練習の成果を披露した。演目は「しびり」「以呂波(いろは)」「口真似(くちまね)」「附子(ぶす)」を披露、会場からは笑いが沸き起こった。

 同保存会の川村光徳会長は「5年前に保存会を引き継いだとき、5年後に初披露、10年後に一流の能楽師を招待した舞台を開く――と目標を立てた。伝統芸能を継承し地域を活気づけていきたい」と意欲を見せる。

 附子を演じた中村陸さんは「海の幸が豊富な鳥羽のまちが大好きで、伝統のある賀多神社の狂言を習えたことはとてもうれしい。今日は、アドリブで台本にない表現をしたが演じた役になりきることができてとても満足。これからも続けていきたい」と感想を漏らした。

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