「神様に仕える馬」になる儀式-皇室から贈られた白馬2頭、伊勢神宮に

「神様に仕える馬」になる儀式-皇室から贈られた白馬2頭、伊勢神宮に

「神様に仕える馬」になる儀式-皇室から贈られた白馬2頭、伊勢神宮に

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 皇室の牧場・農場として知られる「御料牧場(ごりょうぼくじょう)」(栃木県)で大切に育てられた御馬(みうま)2頭が10月27日、「御馬牽進式(みうまけんしんしき)」を終え伊勢神宮の神様に仕える馬「神馬(しんめ)」になった。

おはらいを受ける皇太子妃雅子さまの愛馬だった「空勇号」

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 神馬となったのは、1993年生まれの「空勇号(そらいさむごう)」と2006年生まれの「笑智号(えみともごう)」の2頭。共に3月26日生まれ、毛色が芦毛(あしげ)のアングロアラブ種の白馬。これまで皇居にある主馬班厩舎(しゅめはんきゅうしゃ)で飼育され、皇室行事や皇族方の乗馬で活躍した。神馬となることが決まると同舎で、笑智号は3月11日に、空勇号は6月3日に、天皇皇后両陛下から直接鼻をなでてもらうなどねぎらいを受けていた。空勇号は皇太子妃雅子さまが乗馬をするときの愛馬でもあったという。

 神宮には内宮と外宮にそれぞれ2頭ずつの神馬がいるが、内宮の「晴勇号(はれいさむごう)」が今年4月に、外宮の「路進号(みちしんごう)」が昨年7月に退落(死亡)した。1988年生まれ鹿毛(かげ)の「国春号(くにはるごう)」(内宮)と、2001年生まれ芦毛の「草音号(くさおとごう)」(外宮)のそれぞれ1頭ずつとなったため、今回皇室から、内宮に空勇号が外宮に笑智号が贈られた。神馬は「神様が乗る馬」として奈良時代から神前に牽進されてきた。1869年以降は、退落ごとに皇室より牽進されている。

 御馬牽進式は、内宮(10時~)、外宮(14時~)共に、金の菊花紋章の馬衣を着けた御馬と神職らが、第一鳥居前から整列して歩き、第二鳥居でおはらいを受けた後、参道を進み、外玉垣南御門から入り、中重鳥居(なかえのとりい)をくぐりぬけ、一般参拝者は入ることができない内玉垣南御門前東寄りまで進入し祝詞を奏上した。

 空勇号は、おはらいを受けるまでは興奮気味だったが、参道を歩き正殿に近づくにつれ落ち着き、神前で祝詞が奏上されると神職と共に深々とそして静かに頭を垂れた。朝方、小雨交じりで曇っていた空は、太陽が顔を出し爽やかな秋の空になった。一連の儀式が終わると空勇号は、御馬から神様に仕える馬「神馬」となった。

 神馬となると、毎月1日、11日、21日の早朝8時ごろ、神前に見参する。普段は御厩(みうまや)の中で参拝客らを見守る。

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