三重の地酒をメーンに扱う「べんのや酒店」(志摩市志摩町和具、TEL 0599-85-0420)が、全国新酒鑑評会で5年連続金賞受賞の蔵元・清水醸造(鈴鹿市)の門外不出の日本酒を、新たなオリジナルブランド「No Name(ノーネーム)~名もなき酒~」で限定販売している。
門外不出の日本酒「No Name(ノーネーム)~名もなき酒~」
同酒は、「三重の地酒を全国に広めたい」と思う同店と四日市市の酒販店が清水醸造の門外不出の酒を世に送り出したいと直談判し、加熱殺菌、瓶詰め、ラベル貼りなどの作業を自分たちで行うことを条件に口説き落とした限定酒。9月に「2011 collection no.000」を数量限定で販売したところすぐに完売。同酒は商品番号を「no.001」とした第2弾。同店の竹内伸樹さんは「日本酒の概念を覆すようなサケブランドを」とラベルのデザイン、パッケージにもこだわった。
1869(明治2)年創業の清水醸造は、鈴鹿山脈からの伏流水と伊勢平野で取れる米を使い「作(ざく)」「鈴鹿川」などのブランドを製造。全国新酒鑑評会金賞受賞のほか、FIFAサッカーワールドカップ南アフリカ大会開催時の「オフィシャル日本酒」にも選ばれた。
同酒は、1800ミリリットル(2,940円)と、720ミリリットル(1,680円)があり、火入れ済みの無ろ過純米原酒。精米歩合60%の米と米こうじを原料に、アルコール度数16度。日本酒度、酸度、アミノ酸度は非公開。
これまで門外不出だった理由を、竹内さんは「同蔵元は、生酒は常に生きていてその変化を楽しむのにはいいが、流通過程において思い描いた酒と違う形になってお客さまの元に届いてしまうことを好としてしないため」と説明する。
「味わいが変化しやすい生酒やうすにごり酒を出荷しない同蔵元に特別に許可を得て造った『名もなき酒』。全国で2店舗でしか販売されず、その生産量もごくわずか。うまみのあるフルーティーな味わいとやさしい酸の広がりを楽しんでいただければ」とも。
竹内さんは「今後この『No Name(ノーネーム)~名もなき酒~』ブランドでいろいろな展開を考えている。『No name side story(ノーネームサイドストーリー)』はリキュール類を。現在、大田酒造(伊賀市)のにごり梅酒を販売中。それ以外の『Another style(アナザースタイル)』も展開予定」と意欲を見せる。
同酒は、インターネットで購入可能。