食の安心・安全にこだわる三重県内のレストランを紹介するガイドブック「三重のスロー食堂」が12月、三重の季刊ローカル誌「NAGI」を発行する「月兎舎(げっとしゃ)」(伊勢市馬瀬町)から発行された。
同誌では、同社編集室が「スローである」と認めた三重県内の、古民家食堂(13店)、地野菜カフェ(31店)、天然酵母パン(3店)、手打ちそば(8店)、地魚料理とすし(14店)、コース料理(13店)の計82店を紹介。
「スロー」の基準について、坂美幸編集長は「できる限り近くの食材を使っている、作り手の顔が見える、地域に愛され必要とされている、などを鑑みたほか、今回は地域でとれた農水産物と同様に、人の身体と地球環境への負荷が少ない自然素材で建てられた古民家食堂も範ちゅうに入れた」と説明する。
広域伊勢志摩圏からは、伊勢市の「伊勢河崎町家とうふ」「モナリザ」(河崎)、「喜心(きしん)」(吹上)、「伊な勢」(神久)、「ヒメシャラ」(小俣町)、「サニープレイス」「ボンヴィヴァン」「浜与本店 外宮前店」(本町)、「い~菜」「大喜」「たなか」(岩渕)、「COBO pan(コボパン)」(船江)、「才屋」(宇治今在家町)、「野杏(のあん)」(一之木)、「おくやま」(桜木町)、鳥羽市の「七越茶屋」「Cuccagna(クッカーニャ)」(鳥羽)、志摩市の「ブーゲンビリア」「暁(あかつき)」(阿児町)、「いかだ荘山上」(磯部町)、多気郡の「まめや」(多気町)「アンジュ」(大台町)、度会郡の「ボヌール」「隠れ家 風(ふう)」(玉城町)が選ばれた。
坂編集長は「放射能汚染、TPP問題など、日本の食を巡る環境は、いまだ安心・安全とは言えない。国内の第一次産業が衰退の一途をたどる一方で人々はカロリー過多による生活習慣病に悩まされている。全国展開する外食チェーン店の影響で地方色豊かだった食文化は均質化されつつある。『安いから』『便利だから』という基準だけで選択され続けてもいいのだろうか?」と疑問を投げ掛ける。
価格は1,000円。三重県内の主要書店、道の駅などで販売する。