昨年2月に舞台化、7月にNHKでドラマ化された池上永一さん原作の歴史小説「テンペスト」が1月28日、今度は映画「劇場版テンペスト3D」(角川映画)として公開された。同映画の音楽を伊勢出身の長岡成貢さんが担当した。
映画「劇場版テンペスト3D」全国ロードショー©2011「劇場版テンペスト3D」製作委員
100万部突破のベストセラー小説となった同作は、19世紀末の琉球王国を舞台に、美ぼうと才能を併せ持つ仲間由紀恵さん演じる女性・真鶴(まづる)が、性別を偽って政府の役人・孫寧温(そんねいおん)として、琉球王国のために懸命に生きる姿を描く。浅倉雅博役を谷原章介さん、徐丁垓(じょていがい)役をGACKTさん、孫嗣志(そんしし)役を奥田瑛二さんらが演じた。
映画「桜田門外ノ変」「白銀帝国」やTVドラマ「日曜劇場 JIN-仁-」などを手がけた三重県多気郡明和町出身の長岡成貢さんが音楽を担当。大河ドラマ「独眼竜政宗」「琉球の風」などを手がけた同じく三重県伊賀市出身の吉村芳之さんが監督を務める。
長岡さんは、EXILEやSMAP、CHEMISTRY、MISIAなどのJ-POP音楽の作曲を手がける一方、重厚感のある映画音楽の世界でも近年活躍を見せる。「白銀帝国」は第59回ベルリン国際映画祭で最も注目・話題性の高い作品として紹介されるベルリナーレ・スペシャル部門に選ばれ、第29回ハワイ国際映画祭ではグランプリを受賞するなど世界中から高い評価を得た。またミュージシャンとして昨年12月には、東芝のLED照明の点灯セレモニーで仏ルーヴル美術館での演奏を行った。
長岡さんは「時代、人物、心情が複雑に絡み合う物語なので、音楽が絡み合った糸をほぐす様な役割になれば――と、できるだけシンプルな音の世界観、色彩感を出そうと考えながら制作に取り組んだ」と打ち明ける。
三重県内での上映館は、桑名市、鈴鹿市、津市のワーナー・マイカル・シネマズの3館。