真珠イカダ浮かぶ英虞湾に沈む夕景が今、最も美しい。3月14日は暖かく天気もよく、さらに風も吹かなかったため、夕景を撮影しようと訪れたカメラマンには絶好の撮影日和となった。
3月と9月の中ごろ、リアス式海岸で有名な英虞湾の中央に位置する登茂山(ともやま)公園(志摩市大王町)には大勢のカメラマンが集まる。そのころ、白浜海水浴場がある志摩町御座と英虞湾にある有人離島の一つ間崎島の間にちょうど夕日が沈むため、太陽の光が海面に反射し赤い筋を作るからだ。
この日は、プロの写真家・佐納徹さんと行く日帰り撮影バスツアー(日本旅行主催)の参加者15人と、地元カメラマン、一般の観光客らが三脚を設置し、一眼レフデジタルカメラのレンズをしきりにのぞいて撮影していた。伊勢志摩にはよく撮影に来ているという佐納さんは「ちょうど英虞湾口に落ちる夕日を撮影しようとツアーを企画したが、今日は風もなく暖かく最高の日だった。みんなiいい写真が撮れたのでは」と話す。
伊勢出身のプロカメラマン高田健司さんは、伊勢志摩の自然を撮影しようとこの日偶然居合わせた。「これで、鳥か船が前を通りすぎれば最高」と周囲のカメラマンと話していると、真珠養殖の作業を終えた1艘(そう)の小舟が前を横切った。その瞬間にカメラのシャッター音が鳴り響いた。「念じるとかなうというものだ(笑)」と、その場を和ませた。
見頃は3月末ごろまで続く。