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「伊勢のお茶漬けにはご飯がない」-熱湯を注ぐだけのカップタイプ商品化

「伊勢のお茶漬けにはご飯がない」-熱湯を注ぐだけのカップタイプ商品化

「伊勢のお茶漬けにはご飯がない」-熱湯を注ぐだけのカップタイプ商品化

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 コメや豆類、「田舎あられ」などを製造販売する南勢糧穀(伊勢市上地町、TEL 0596-28-4410)が昨年12月に販売を始めた「あられとスープ ご飯じゃないお茶漬け」が人気を集めている。

熱湯を注いだ「あられとスープ ご飯じゃないお茶漬け」

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 伊勢地方で「お茶漬け」というと、ご飯のない素焼きのあられに熱湯を注いで塩や市販のお茶漬けの素、甘党には砂糖を入れて食べるものを指す。2009年7月に放送されたバラエティー番組「秘密のケンミンSHOW」(日本テレビ系列)で紹介され話題になったが、最も驚いたのは「あられ茶漬け」が当たり前じゃないことに気付いた伊勢人だった。かつて伊勢人は「黒く濃厚なたまりしょうゆと刻みネギをかけて食べる腰のない柔らかいうどんを「(一般的な)うどん」と思っていたが、それが他の地域と違うことに気付き「伊勢うどん」と命名し区別するようになるほど独特の食文化を持つ。

 同商品は、同社で製造する「田舎あられ」と白ゴマ、青ノリなどを入れた昆布だしのスープを小分けしパック詰め、紙製のカップに入れた。2010年にご飯のないお茶漬け「伊勢田舎茶漬け」として販売したものをカップに詰めブラッシュアップさせたもの。現在伊勢志摩地域と大阪、静岡などのスーパーで販売。12月から販売を始め、3月になると一気に前月の4倍の販売数を記録するほどになったという。

 「何か面白いものを伊勢から発信・販売したい」と考えていた同社専務の清水裕嗣さんと伊勢の音楽カルチャーの発信源となっているクラブ「RHYTHM(リズム)」(佐八町)オーナーの岡山裕成さんが一昨年に出会い、「ならば」と同商品の開発に着手。岡山さんは「伊勢に来てくれる有名なアーティストにぜひ食べてもらいたい。土産に持たせてあげられるものを」などと清水さんに提案し完成にこぎ着けた。東京で活躍する岡山さんの友人のデザイナー尾崎元也さんを清水さんに紹介すると、尾崎さんと清水さんが同じ学校の同級生だったという「ミラクル」も。「思いの詰まった商品が出来上がった」(清水さん)と打ち明ける。

 清水さんは「最初は『サクサク』、食べていくうちに『しっとり』、スープを飲んで『まったり』と3度楽しめる商品。見た目はカップラーメンのようだが、無添加でうす味、スープも最後まで飲めるものに仕上げ、総カロリー数も96キロカロリーに抑えた。一度食べていただければ」とアピールする。

 価格は210円。ホテルみち潮(志摩市)、ホテルアルティア鳥羽(鳥羽市)、クラブRHYTHM、カフェJamise(伊勢市)などの店頭とインターネットで販売する。

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