金環日食となった5月21日、「二見興玉(おきたま)神社」(伊勢市二見町江)・夫婦岩の沖合で、海中の藻を刈る神事「藻刈神事(もかりしんじ)」が行われた。
藻刈神事とは、夫婦岩の沖合700メートル先の海中に鎮座する猿田彦大神ゆかりの興玉神石(おきたましんせき)に生える「無垢(むく)塩草)」と呼ぶアマモを刈り取る神事のこと。刈り取った無垢塩草は後日、天日に干し、同神社のおはらい時に使う「祓具(はらいのぐ)」やお守り「無垢塩草」にする。
サカキ・旗を立て、しめ縄を張り巡らした和船に神職と巫女(みこ)が乗り込み、興玉神石のある海上を3周し、2拝2拍手1拝の後、神酒、御饌(みけ)を海中にささげ、無垢塩草を手鎌で刈り取った。
古来より伊勢神宮参拝の前に二見浦でみそぎを行う風習が残り、伊勢神宮式年遷宮「お木曳行事」「お白石持ち行事」参加時には「浜参宮」としてみそぎの代わりに「無垢塩はらい」を受ける。
夫婦岩の前の海に入ってみそぎを行い、夫婦岩のしめ縄の間から出る朝日を拝む夏至祭が6月21日に行われる。昨年は太陽と富士山が重なり、同祭参加者は「感動的な体験をした」という。同祭への参加希望者は同神社社務所(TEL 0596-43-2020)まで。