陸上自衛隊明野駐屯地・航空学校(伊勢市小俣町明野)教育支援飛行隊のヘリコプター7機が8月21日~26日、富士山の麓であった「富士総合火力演習」に参加した。
毎年開催される「富士総合火力演習」は、陸上自衛隊の実弾射撃演習で富士山を背景にした東富士演習場(静岡県御殿場市)で行われている。実弾を使って行う主要装備品の紹介や、戦闘時を想定したさまざまな作戦を訓練の一環として行い、一方で陸上自衛隊の技術力を広くPRすることを目的としている。
演習の公開は期間中の4日間行われ、最終日の8月26日は一般客にも公開され3万1278人が参加。4日間で延べ10万5715人が見学した。26日の一般公開日の抽選倍率ははがきが15.6倍、インターネットが14.4倍。戦車・装甲車約80両、各種火砲約80門、航空機約30機、その他の車両約600両と最大規模で、自衛隊公開イベントの中でも最も人気が高い。
飛行隊長の佐藤真人2等陸佐率いる教育支援飛行隊は明野から、国産の観測ヘリコプターOH-1(ニンジャ)1機、戦闘ヘリコプターAH-64D(アパッチ)3機、多用途ヘリコプターUH-1J(ヒューイ)1機、同UH-60JA(ブラックホーク)2機の計7機で臨み、パイロット、整備士など隊員83人が作戦に参加した。
今回の目玉は、国産の最新鋭「10式戦車」6台によるデモンストレーション。沖縄県の尖閣諸島や島根県の竹島をめぐる領土問題からの対立を想定し、離島が攻撃され、上陸した敵を排除するために陸海空の自衛隊が統合作戦を展開するという演習にも観客はくぎ付けになっていた。教育支援飛行隊のヘリコプターは、上陸されたことを想定したヘリボン攻撃などを行った。