広域伊勢志摩圏内のホテルや旅館の和食料理長らが集う「伊勢志摩料理クラブ」(会長=掛橋友二さん)の料理講習会が9月24日、ホテル「浜離宮」(鳥羽市鳥羽)で行われた。
若手料理人の人材育成や会員同士の親睦、情報交換などを通して、食の品質向上などを目指している同クラブ。会員は約80人で、年2回、春と秋に料理講習会を行っている。
この日は、同ホテルの料理長で、同クラブの理事も務める中山直紀さんが作った秋の創作料理を会員らが試食した。メニューは、レンコン、カボチャ、ナスを裏ごししクズを練って作った「季節豆腐三種」を先付けに、「豚バラ昆布〆カキのイチジク巻き」と北海道から仕入れた脂ののったサバを使った「鯖寿司の竹皮包み」、「焼きマツタケと名残ハモのつみれの入ったわん物」「渋皮クリの栗金時」が並んだ。
「これまでの講習会では、腕のあるベテラン料理長らの料理を食べさせていただき学ばせてもらってきたが、今回は僕が作りたいと立候補して実現した。チャレンジの気持ちで臨み、若手の意気込みを感じていただきたかった」と話すのは、鳥羽出身の中山さん(35)。「バブルのころには料理人不足で大阪など都市部の料理人が雇われて料理をしていたが、バブルが崩壊した後には、人も、料理(の腕)も残っていなかった。地元の人間が地元で職人になれるよう、人材を育て継承するためにも、僕たち若手が頑張らなくては」と意欲を見せる。