神宮林が茂る自然豊かな森の中にある集落・高麗広(こうらいびろ)で、昨年からキクラゲの栽培に挑戦している「伊勢高麗畑」(伊勢市宇治今在家町、TEL 0596-27-8225)が1月、新鮮なフレッシュキクラゲの販売を本格的に始めた。運営は、アグリベンチャーのリブオールジャパン(松阪市山室町)。
同社は耕作放棄地だった同地を昨年から開拓し、キクラゲ栽培用のビニールハウス(11メートル×21メートル×3メートル)、野外栽培用の棚、出荷作業用スペースなどを作り、水は五十鈴川の上流にあたる山の水を約2キロ先からパイプを継いで引いた。
60%以上の湿度と18~25度の温度を保つハウスでは約3000本の菌床で黒キクラゲを栽培し、週2回300パック以上を、津市を中心に5店舗を展開する高級スーパーマーケットの「マルヤス」(津市)の4店舗、グラギ(農業屋)グループが展開する産直市場「みのり」(松阪市)の2店舗、伊勢市を拠点に27店舗を展開するスーパーマーケット「ぎゅーとら」(伊勢市西豊浜町)の4店舗、計10店舗で販売する。昨年10月からはインターネット直営店を楽天市場にも出店した。
プロデューサーの西山直孝さんは「僕たちは元不良やニート、オタクの集まり(笑)。同じ境遇の10代、20代の若者が畑に出て農業をすれば日本が変わると思う。そうしたライブ環境を若者に提供できるように、これからどんどんビジネスを育てていきたい。まずは『伊勢きくらげ』を共に生産してくれる若者がここに集まれば」と意気込む。
西山さんは「『高校生レストラン』で有名な相可高校食物調理科の生徒たちにも協力いただき、キクラゲのレシピを考えていただいた。国内で購入できるほとんどのキクラゲが中国産でしかも乾燥品を水で戻したもの。安心安全な生のキクラゲを食べていただければ、そのおいしさは必ず分かってもらえる。ぜひ一度ご賞味いただければ」とPRする。「今後安定供給ができるように、春夏秋には赤キクラゲ、冬には黒キクラゲ、年間通して白キクラゲを生産予定。白キクラゲについては現在テスト栽培中だがほぼうまくいったので、1月下旬から少しずつ出荷する」とも。
フレッシュキクラゲ(黒キクラゲ)の価格は約80グラムで300円。