豚骨ラーメンで知られる「なんでんかんでん」(東京都)と志摩の飲食店「花凛島(かりんとう)」とのコラボで生まれたラーメン店「なんでんかんでん+花凛島」(志摩市阿児町立神、TEL 0599-45-5575)が1月31日、オープンした。
「なんでんかんでん」は1987(昭和62)年、福岡の「豚骨ラーメン」が関東でまだ浸透していない時代に、東京都世田谷区の環状7号線沿いにオープン。連日行列ができるラーメン店として数多くのメディアでも紹介され、ラーメンブームの火付け役となった。オーナーの川原浩史さんは起業を目指す人に投資するバラエティー番組「マネーの虎」(NTV)などにも出演。現在、全国100店舗を目標にフランチャイズ店の拡大を目指している。「なんでんかんでん+花凛島」はその3号店目で、全国に先駆けたコラボ店1号店となる。
山本軌勝さんがオーナーを務める「花凛島」は、母の代から続く飲食店だったが母の体調不良で2009年から休業していた。山本さんは頚椎(けいつい)ヘルニアを患い2011年に入院し手術を受けたが術後の経過が良くなく、両足が動かなくなってしまい車いす生活を送ることになる。
コラボ店のきっかけは、山本さんが昨年5月にテレビに出演していた川原社長を見て「会って直接話を聞いてみたい」と思い上京。同年7月にあったイベントに川原社長自らが調理する1日限定のラーメン店を開いた。「その時食べていただいた人の評判が非常に良かったので、開業したいと思い川原社長に相談し実現した」と振り返る。
川原社長は「当初、山本さんからラーメン店を開きたいと申し出を頂いたが、車いすでは大変だとお断りしたのだが、山本さんの情熱に負け…(笑)」と打ち明ける。「車いすでも入れるバリアフリーのラーメン店はあるが、車いすのオーナーがラーメンを作るのは山本さんが初めてかも。全面的に応援していきたい」とも。
山本さんは開店を機に、新品の電動式車いすを購入し気合を入れる。現在、「なんでんかんでん」本店店長だった南部照夫さんの指導の下、ラーメン作りの特訓中。「開業当初はお店のスムーズな運営を優先し、ホールでの接客を担当するが、落ち着いたころに自ら厨房に入る。伊勢志摩の人に川原社長が作り上げたラーメンを食べてもらいたい」と熱い。
メニューは、ラーメン(650円)、たまごラーメン、きくらげラーメン、のりラーメン(以上750円)、チャーシュー麺(880円)、替え玉(100円)、ギョーザ(5個、250円)など。志摩市で初提供となる伊勢角屋麦酒(伊勢市神久)の「神都麦酒(シントビール)」の生ビール(580円)も。
営業時間は11時~14時30分、17時30分~22時。水曜定休。