まもなく1500日絶食の深海生物「ダイオウグソクムシ」-鳥羽水族館飼育員困惑

まもなく1500日絶食の深海生物「ダイオウグソクムシ」-鳥羽水族館飼育員困惑(写真はサバの上に乗っかりポーズをとるダイオウグソクムシ。食べる様子はまったく感じられない)

まもなく1500日絶食の深海生物「ダイオウグソクムシ」-鳥羽水族館飼育員困惑(写真はサバの上に乗っかりポーズをとるダイオウグソクムシ。食べる様子はまったく感じられない)

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 絶食5年目に突入している鳥羽水族館(鳥羽市鳥羽)の謎の深海生物「ダイオウグソクムシ」の月に一度の餌やりが2月4日、報道関係者が見守る中行われた。しかしながら今回も食べず、1494日間の絶食記録を更新した。

絶食5年突入の鳥羽水族館のダイオウグソクムシ

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 2007年9月9日に入館した「No.1」と昨年5番目に入館した「No.5」の2個体を飼育展示している同館。絶食記録を更新中なのは「No.1」。前回食べたのは、遡ること2009年1月2日。その時は約50グラムのアジを1匹食べた。

 毎月ごとに増える報道関係者。この日は、テレビや新聞など10人以上がダイオウグソクムシの水槽前に集まった。飼育担当の森滝丈也さんが約30センチのサバ1匹を水槽の中に投入。すると「N0.1」の顎がしきりに動き、また腹肢を上下させ活発に動き出した。「No.5」も興奮し、同じように腹肢を上下させ水槽の中を泳ぎ出した。「今日こそはーー」とみんなの期待が掛かったが…。

 結局は、約30分間の沈黙が続いたまま、森滝さんの判断で「今回も食べてくれませんでした」と一言説明すると、サバが水槽から引き上げられた。

 餌やりを終えた後、今の気持ちを森滝さんに聞くと「いいかげんにして~(涙)」と絶叫寸前。森滝さんは「水温を高くすることで活動性が高まることを期待し、昨年末に水温を10度に上げたが予想に反して、それまでよりも急に動きが鈍くなった。今度は水温を5度まで下げたら動きが活発になったので、今回は期待できると思っていたのだが…」と頭をひねり困惑する。

 ダイオウグソクムシは、世界最大のダンゴムシの仲間といわれ、節足動物門等脚目スナホリムシ科に属する海生甲殻類。200~1000メートルの深海に生息し、落ちてくる魚の死骸などを食べているといわれているが、まだまだ謎が多い深海生物の一つ。

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