近鉄賢島駅徒歩2分、伊勢志摩国立公園の中心に位置する賢島にある水族館・志摩マリンランド(志摩市阿児町神明、TEL 0599-43-1225)の巨大回遊水槽の中に「寿」と書かれたカンパチ「寿カンパチ」がいると話題になっている。
1970年(昭和45年)オープンの同館は、古代生物のアンモナイトをデザインしエントランスから貝殻の中に入っていくような幻想的な演出を施した設計で、建築賞受賞歴もある構造物。その中央にタイやブリ、カンパチなど約50種、約2000尾の魚が泳ぐドーナツ型の巨大回遊水槽(深さ2.5メートル、奥行き3メートル、周囲38メートル、水量約300トン)がある。白い磯着姿の海女が魚に餌付けをする「海女の餌付けショー」は毎時1時間おきにあり同館の人気イベントの1つとなっている。
「寿カンパチ」は、今年の元日に伊勢神宮に初詣でに行った帰りに同水族館を訪れた客が巨大回遊水槽の中で泳ぐカンパチの中から偶然発見。同館職員に尋ねたが知らないと言われ、後日職場の同僚にもそのことを話したが信じてもらえず「せっかくおめでたい『寿』の文字を見つけたのにこのままでは悔しすぎる」と、バラエティー番組「探偵!ナイトスクープ」(朝日放送)の探偵に調べてもらおうとハガキを出し、依頼したのがきっかけ。番組の中で探偵となったタレントの桂小枝さんが依頼者と同館を訪れ調査し確認した。
「寿」の文字は、カンパチの背びれのすぐした2センチ弱の大きさで、寿の旧字「壽」という文字にも見ることができる。回遊水槽の前では「コトブキさ~ん」とか「ほんまや~」「めでたい、めでたい」などと喜ぶ来館者が急増している。
同館広報・営業担当の藤谷廣行さんは「水槽の中には約150尾のカンパチが泳いでいる。『寿カンパチ』は形もきれいな『イケメンカンパチ』で背中にしっかりと『寿』の文字が確認できると思う。水槽の中を約40秒で一周するので、ぜひとも探してほしい」と話す。
里中知之館長は「魚のうろこに傷のような点がつく褐色色素胞の異常増殖だと思われるが、私も確認したら『寿』にしか見えなかった。よくぞ見つけていただきましたという心境。『寿カンパチ』が話題になって来館者が増えれば」と期待を込める。
開館時間は9時~17時(7・8月は17時30分まで)。入館料は、大人=1,250円、中高生=700円、小学生=500円、幼児(4歳以上)=300円。