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サクラはないけど桜鯛-累計3万匹以上のタイを調理する志摩の和食店「鯛」

サクラはないけど桜鯛-累計3万~4万匹のタイを調理する志摩の和食店「鯛」
(写真は光り輝く桜鯛を手にする日本料理店「鯛」の速水栄さん

サクラはないけど桜鯛-累計3万~4万匹のタイを調理する志摩の和食店「鯛」 (写真は光り輝く桜鯛を手にする日本料理店「鯛」の速水栄さん

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 1978(昭和53)年創業の和食店「日本料理 鯛」(志摩市阿児町、TEL 0599-43-3770)で、今が旬の天然のマダイ料理が人気を集めている。

光り輝く桜鯛を調理する日本料理「鯛」の速水栄さん

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 「創業から1日少なくとも3匹は仕入れているので1年間なら1000匹以上。これまでの累計なら3万~4万匹のマダイと格闘したかな?(笑)」と話すのは、同店オーナーの速水栄さん。「(創業前に)店名を考えていた時、夢の中で大量のタイを釣った。店名は『鯛』。朝起きて即決した。釣った中には小判も付いていて…。35年続けてこれたのもわかりやすい店名の『鯛』のおかげかも」とタイについてのエピソードを披露する。

 春になり産卵のため腹を大きくした天然マダイの味は最もおいしいとされる。大きなマダイの水揚げが増え伊勢志摩の市場も活気づいている。ちょうどサクラの季節と重なり、サクラの花の色とマダイの肌の色がともにピンク色で鮮やかなことから「桜鯛」と呼ばれるようになった。

 同店は4月12日、安乗漁港(同)で水揚げされたばかりの傷がなく形のいい2キロオーバーの桜鯛を仕入れ、その日のうちに客に提供した。「タイは捨てるところがない」と言われるがごとく、身は刺し身、薄造りに、骨は油で揚げ障子揚げや骨せんべいに、頭はかぶと煮や骨蒸しなど余すところなく調理した。

 速水さんは「人気は『鯛茶漬け(タイチャ)』と『鯛せんべい』。今日のお昼には20食分のタイチャが出た。鯛せんべいは何か新しい料理ができないか?と考えたオリジナル。この間は明石のお客様が『明石よりもおいしい!宣伝しておくよ』と喜んで帰って行かれたので、とてもうれしかった。サクラはもう咲いていないが、今が旬の桜鯛をぜひ食べてほしい」とPRする。

 営業時間は11時~14時、16時~22時。月曜定休。 

 第11代垂仁天皇の皇女・倭姫命(やまとひめのみこと)が、天照大神(あまてらすおおみかみ)を祭る地を探し求め旅をし、現在の伊勢の地に決定するきっかけが、伊勢志摩地方の海の幸の豊富さだったとされる。神宮の重要な祭りの際に必ず登場するのがアワビとタイ。タイは尾ビレと頭をひもで結び飛び跳ねた様に盛り付けられる新鮮な生と篠島(愛知県)で干して作られる干鯛が奉納される。

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