関西エリアのサーフポイントとして知られる国府(こう)の浜海岸近くにあり、サーファーの来店頻度も高い志摩のコンビニ「サークルK国府の浜店」(志摩市阿児町国府)の深夜のスナック菓子陳列棚が美しすぎると少しずつ評判になっている。
美しすぎる陳列棚は、客足が落ち着く深夜のシフト勤務時間で働く店員の「作品」だ。特に際立つのがポテトチップスなどスナック菓子が並ぶ陳列棚。菓子袋の中身を均等にそろえた後、袋の4隅を両手で張り、できるだけ箱型に整形し、それを真っすぐきれいに並べる。
「美しい陳列にするのは、伊勢志摩で7店舗を運営するオーナーの方針でもあるが、やり出したら徐々に凝り始めて、今では短時間の作業でどれだけ美しく見せるかにこだわり、『趣味』『意地』『作品』の世界になりつつある(笑)」と控えめに打ち明ける。
サークルKサンクス本部(東京都中央区)広報IR秘書室の担当者は「ここまで徹底しているところは本部では把握していない」とコメント。同社三重第2営業部三重南地区統括マネジャーの中尾公則さんは「基本的にはグルーピング(同一商品でそろえる)、前進立体陳列(一番前に並べ立体的にディスプレーする)、フェースアップ(商品の正面を見せる)などの指導は行うが、こだわりのディスプレーは各店任せ。同オーナーの7店はどこも比較的美しい」と付け加える。
店員は「鳥羽市の船津店で働いたときの同僚が徹底してきれいに並べていたのを見て、『すごくきれいに並べているな』『自分にもできるかな?』と思ったことがきっかけだが、いまだに彼には勝てない。陳列はスナック菓子で『壁』を作るイメージ。ポテトチップスなどは簡単だが、『ソフトいかフライ』『恋するめ』などの軽くて中身がくっついているものの陳列は非常に難しい」と話す。「以前来店した大阪出身のサーファーは『めちゃきれいやで』と驚いている様子だった」とも。