賢島に本校を置く通信制の代々木高校(志摩市阿児町神明)の生徒23人が5月16日、伊勢神宮の別宮である「伊雑宮(いぞうぐう・いざわのみや)」(磯部町上之郷)とその周辺を知るフィールドワークを行った。
生徒たちは近鉄上之郷駅で下車し同宮へ。その後、水を張ったばかりの水田が広がるあぜ道を通りながらオウム岩のある標高196メートルの和合山へ。頂上で同地区に伝わる1秒間に2.5回の餅をつく高速餅つき「恵利原の早餅つき」を同保存会有志らが協力し生徒たちと一緒につき、出来上がった餅を全員で食べた。
「天照大神の遙宮(とおのみや)」と呼ばれ「天照坐皇大御神御魂(あまてらしますすめおおみかみのみたま)」を祭神とする同宮では、6月24日に迫る日本三大御田植祭「伊雑宮御田植祭」の起源や祭りについて、同校事務局長で同祭の所作などを指導し同町在住の谷崎豊さんが丁寧に説明した。谷崎さんは「『伊勢』や『伊勢神宮』が全国的なブームとなり、神宮本来の意味や意義が俗化し、歪曲(わいきょく)して伝えられつつある。パワースポット化する伊雑宮について興味を持つきっかけになれば」と話す。
同フィールドワークの担当教諭・横田寛(ゆたか)さんは「生徒たちにとって、豊かな自然に囲まれながら市民の温かさに触れる授業となった。伊雑宮やオウム岩で感じた感覚を大切にしながら一回りも二回りも大きく成長していってもらえれば」と期待を込める。
同校の、働きながら学ぶことができる「伊勢志摩料理人コース」の生徒は「また明日から、お客さまにおいしい料理を食べてもらえるように頑張ってきます」と心機一転、意気込みを見せていた。