本物のミカン約1000個に発光ダイオード(LED)電球を差し込んでできた「みかんツリー」が今年も南伊勢町を照らしている。温かいオレンジ色の光を放つ「みかんツリー」は温州ミカンの生産地・南伊勢町の冬のシンボルツリーになろうとしている。
今年も同町の2カ所「南伊勢町ふれあいセンターなんとう」(村山)と「南伊勢町町民文化会館」(五ヶ所浦)に設置された「みかんツリー」の制作には、さまざまな人が関わった。飾りのミカンは11月10日と17日にあったイベントで地元住民や観光客らが手作りしたもの。ミカンは地元のJAやミカン農家から提供を受けた。
年々元気がなくなっていく町にミカンの光をともそうと、南伊勢高校南勢校舎(旧南勢高校)のOBらでつくる「南伊勢町をより元気にする会」が中心となって昨年から活動。「みかんツリー」は、愛媛県のまちづくりNPO法人「イケメン連」らの協力で完成した。
飾りのミカンは、同町で生産された本物のミカンの皮に十文字にナイフを入れ、まずは中身を食べる。その後皮を接着剤でくっ付け元のミカンの形に戻し、乾燥剤の中に入れ数日間乾燥。乾燥したミカン一個一個の穴をテープでふさぎLED電球を挿入、同町産の間伐材で円すい状に組んだ約3メートルのツリーに飾り付け完成させた。12月7日には多くの住民が見守る中、点灯式を行った。
ツリーには、同町の8つの保育園(さざ波園、南島保育所、なかよし保育園、南海園、穂原園、五ヶ所園、神原園、宿田曽園)の園児が描いたミカンのカードも飾り付けられた。同会の川口加奈恵さんは「『みかんツリー』は多くの人の協力、思いによってできている。今月9日夜から10日朝にかけて風が強く雨が降ったが、(ミカンが飛んでいかないかと)みんなが心配して見に来てくれた。いつまでも町にオレンジ色の光が輝き続くようにしていきたい」と話す。
点灯時間は17時~24時。来年1月18日まで。