鳥羽水族館(鳥羽市鳥羽)の人気者だったオスのジュゴン「じゅんいち」が長期飼育世界記録(1万1475日)のプレゼントを残して2011年2月10日に死んでからずっとそのままの水槽の中に、泡を利用した「バブルツリー」が美しく輝いている。
同館では今年、「みんなでツリークリスマス」と題して「バブルツリー」のほかに個性的なツリーを展示している。メーンゲートにはクラゲの形をした高さ6メートルの「ビッグクラゲツリー」、エントランスホールには約50個のシャンパングラスにエビや小魚を入れた「光のグラスツリー」、約1万8000個のラインストーンでデコレーションした「クリオネデコツリー」、デンキウナギの放電に合わせて発光するという「デンキウナギの電撃ビリビリツリー」の5種類。
「バブルツリー」は、エアーレーションの泡を利用し水槽の中に透明のアクリル板を設置しただけのものだが、高さは約3メートルの大きさ。ツリーの上部からスポットライトを当て演出し、ユメウメイロやカスミチョウチョウウオなどの熱帯魚がバブルツリーの周りを優雅に泳ぎ、さらに美しく引き立てている。
一方、「じゅんいち」不在の水槽隣には、1986(昭和61)年にフィリピン政府より贈られたメスの「セレナ」が寂しく泳いでいる。同館は、ジュゴンに関する現地調査など長年フィリピン政府や島々で暮らす住民たちとの交流が深く、これまで日本とフィリピンの橋渡しを担ってきた実績を持つ。現在、その水槽の前には、フィリピンで今年11月に発生した台風30号による被災地支援のための募金箱が設置されている(11月21日~12月25日)。
開館時間は、11月1日~3月20日=9時~16時30分(土曜・日曜・祝日は17時まで)。入館料は、大人=2,400円、小人=1,200円、幼児(3歳以上)=600円。ツリーの展示は12月25日まで。