伊勢湾に面した大淀(おいず)港の漁業者らでつくる大淀網元倶楽部(多気郡明和町)が12月25日、同港で水揚げされた「大淀ワタリ」と呼ぶワタリガニを伊勢神宮内宮(ないくう)に奉納した。
同倶楽部は大淀の漁師たちが結成した団体で、かつて漁業で栄えた港町を再び活気のある町にしようと活動する。今年1月には、同港で水揚げされた巨大アナゴを奉納した。
「大淀ワタリ」とは、伊勢湾で取れる天然のワタリガニで、ずっしりと重く、しっかりと身が詰まったものをいい、同港で取引される「特大」と「大」サイズだけを厳格にブランド化していこうとするもので、今期から取り組んでいる。冬期はメス、夏期はオスがおいしく、旬を迎えるためシーズンによっても指定が異なる。
この日は生きたワタリガニ18匹とボイルしたもの22匹を奉納。同倶楽部の代表・下井清史さんは「この時期のメスのワタリガニは身が詰まって非常においしいが、オスは身が痩せておいしくない。反対に夏場はそれが逆転する。ブランド化することで、ワタリガニがおいしい季節においしく食べていただけるように、知ってもらえれば。まだまだ試行錯誤しながらの取り組みなので応援よろしくお願いします」と話す。