稲わらを筆代わりにして書く「稲わら書画」の書き初め会が1月2日、敷地内に伊勢神宮の摂社・粟皇子神社がある「旅荘 海の蝶」(伊勢市二見町、TEL 0596-44-1050)で行われている。
1988年の辰年の正月、ふと稲わらを使って文字を書いてみようと思ったことがきっかけで、浄心流雲龍(じょうしんりゅううんりゅう)を興し、宗家となった爪橋静香さん。同施設内にも爪橋さんが書いた作品が数点展示されている。
稲わらは「幻の米」「神の米」ともいわれるイセヒカリで、神岳(かみがたけ)の水で育てた昨年収穫したもの、墨に使う水は神岳から湧きでた水を使用。イセヒカリは1989年、伊勢志摩地方に2度の大きな台風が襲った時、伊勢神宮の神田の真ん中に、被害を免れ2株だけ直立して元気よく生えていた稲からできた米のこと。
伊勢市出身の爪橋さんは、書道のほかにも茶道や華道、和裁・着付けなど日本の伝統文化を伝えている。2003年に度会郡玉城町に建てた茶室「竹光庵(ちっこうあん)」(玉城町、TEL 090-3152-3704)では地域の人たちを対象に教室を行なっている。現在、内宮前おはらい町「茶房 山中」(伊勢市宇治今在家町)で作品展を開催している(2月28日まで)。
同イベントに参加した名古屋出身の小学2年生・斉藤さくらさんは「初めてだったが、自由に書けたのでとても楽しかった。またやってみたい」と「こな雪」の文字を書いて満足そう。爪橋さんは「2度と同じ字が書けないのが面白い。稲わらを使って書いてみると、自然に湧いてくるように書ける気がする。自由に思った言葉を書いていただければ」と話す。
参加費は800円。対象は小学生以上。3日(13時~17時)まで。