伊勢市駅前の外宮(げくう)参道に昨年開設された神道画家・鳥居禮(とりいれい)さんのギャラリー「GALLERY いせのもり」(伊勢市本町、TEL 0596-63-8517)が1周年を迎えた。これを記念した「鳥居禮 新春展」が現在開催されている。
神道画家の鳥居禮さんのギャラリー「GALLERY いせのもり」で
伊勢神宮外宮・勾玉(まがたま)池のほとりに2012年に完成し、昨年12月17日に早々と入館者が100万人を達成した「式年遷宮記念 せんぐう館」(豊川町)のエントランスに飾られている500号(333×218センチ)の「豊受大神宮正殿の図」は鳥居さんの作品。式年遷宮の諸祭33のうち30を描いた40号(100×80センチ)の作品30点も同館に展示されている。
日本画を目指していた鳥居さんは、27歳の時に「日本の美術史」の巻頭にあった「神宮の御敷地の覆屋(おおいや)」の写真に感銘を受け、伊勢神宮を描いてみたいと思ったのがきっかけで神道画を始めた。昨年10月2日に行われた遷御(せんぎょ)の儀では新宮の内院庭燎所役(内院でかがり火をたく係)に任命された。
鳥居さんは「日本の美は温かさだと思い、その温かさを作品の中に表現してきた。遷御の儀でのご奉仕はただただありがたいもので、美しさや畏れ多さを一心に受けその上、大神様の懐に抱かれているような安心感を得た。遷御の儀の前に道具の点検で誰もいない内院に入った時、今まで味わったことの無いような幸福感と温かさを体験し『(日本の美=温かさを追求してきたこと)それでいいんだ』と確信した」と話す。
鳥居さんは2月1日~4日の4日間、伊勢に滞在。ギャラリーでトークイベントを行ったほか、公開で席画に取り組んだ。
「来年秋にはエストニア国立美術館での個展も決まった。伊勢の素晴らしさ、つまりは神道の素晴らしさを日本人のみならず世界の人に知ってもらいたい。伊勢神宮の重大な世界的意義を地元の方々や伊勢を訪れる方々に知っていただければ。気軽に足を運んでいただきたい」と鳥居さん。
開館時間は9時30分~16時。入館無料。3月15日まで。