三重のローカル季刊誌「NAGI(凪)」56(春)号が3月1日、三重県内の書店などで発売される。今号の特集は県内在住のアーティスト4人の作品の中に秘める「物語」をフィーチャーする。発行は「月兎舎(げっとしゃ)」(伊勢市馬瀬町)。
「物語を象(かたど)る」アーティストは、津市在住の古布で人形作家の泰良木ゆめさん、いなべ市在住でメタルアート作家の柴田望さんと、木彫り作家のはしもとみおさん、伊勢市在住のバロック(変形)真珠でアートを作る小西蔀(しとみ)さんの4人。
小西さんの作品は、形がいびつな真珠からイメージを膨らませ、そのイメージをさらに際立たせるように金や銀を使って装飾する。2つの真珠の珠がくっついた真珠はデメキンの目に見立てた「女王」、先が少しとがってドングリの実に見える真珠には「小さな秋」、細長い真珠はダイコン、カブのような形の真珠と合わせて金で葉を付け「旬」と命名する。
編集人の坂美幸さんは「日常で見つけた何気ないシーンや自然の営みを物語として立体造形にかたどる作家たちの作品を見ていると、懐かしい記憶が蘇ってきたり、くすっと笑えたりして、とても温かい気持ちで満たされる。写真や絵画と違ったマテリアルの質感と手仕事によるぬくもりを感じる」と説明する。
同誌との連動企画展「泰良木ゆめ創作人形展 私の人形」が4月5日~20日、「賓日館(ひんじつかん)」(伊勢市二見町)で開催される。「見応えありなので、ぜひ足を運んでいただければ」(坂さん)。
価格は、消費税増税により3月末までは680円、4月以降は700円。