二見興玉神社（伊勢市二見町）境内で9月5日、夫婦（めおと）岩に架かる大しめ縄の張り替え神事が行われた。

二見「夫婦岩」の大しめ縄の張り替え神事

　1本の長さが約35メートル、重さ約40キロ、太さ約10センチの大しめ縄5本を、高さ約9メートルの男岩（おいわ）に16メートル、高さ約4メートルの女岩（めいわ）に10メートル巻く。男岩と女岩を結ぶ長さは約9メートル、総重量約200キロの大しめ縄が太陽神と、猿田彦大神を祭る鳥居の役割を担う。境内に架かる富士見橋の上から見る夫婦岩の大しめ縄の間には、その約200キロ先に霊峰富士を拝むこともできる。

　同神事では、神職や氏子らと共に、その場に居合わせた参拝者や地元の人たちが協力し合いながら手で縄を送り、送られた5本の縄を氏子たちが手際よく男岩と女岩に巻き付けられ、きれいに整えられた。同神事は毎年5月5日と9月5日と12月の年3回行われる。

　国際観光都市宣言をする伊勢市は、海外に伊勢神宮や夫婦岩などをPRしようと、フランス、ドイツ、スイス、スペイン、デンマーク、カタール、中国、韓国、米国の9カ国の海外メディアの記者やカメラマン10人を招待し1泊2日のメディアツアーを企画。この日メンバーは、伊勢神宮や同神社などを熱心に取材していた。

　カタールに拠点を置く衛星テレビ局「アルジャジーラ」のリポーター松村マハさんは「日本の伝統文化に触れ、伊勢を知ることができた。伊勢神宮などでは、撮影禁止の場所が多く、どうやって伊勢を伝えたらいいのか？とても難しい。大しめ縄の張り替え神事もとても興味深かった。9月中に番組にして配信予定」と話す。

　昨年10月に伊勢神宮内宮（ないくう）、外宮（げくう）の両正宮と別宮の荒祭宮（あらまつりのみや）と多賀宮（たかのみや）の遷宮が無事執り行われた。同神社では、遷宮の祭典を前に穢（けが）れを祓（はら）う禊（みそぎ）の役割を果たす「浜参宮」の参拝者・祈願者の数が昨年ピークに達した。8月27日には奉献団の本部役員らが「浜参宮」を行った。12の別宮遷宮行事に向けて、今年も「浜参宮」でにぎやかになる。