近畿日本鉄道「都ホテルズ&リゾーツ」グループの「志摩観光ホテル」(志摩市阿児町、TEL 0599-43-1211)で11月16日、「クラシック」と「ベイスイート」両館の料理を統括する総料理長に樋口宏江さんが就任した。
樋口さんは1991年志摩観光ホテルに入社。「ホテル志摩スペイン村」(同市磯部町)のフレンチレストラン「アルカサル」のシェフに23歳の若さで抜てきされ、その後「志摩観光ホテル」のレストラン「ラ・メール」で経験を積み、2008年「ベイスイート」開業と同時に「(新)ラ・メール」のシェフに37歳で就任。先々代総料理長・高橋忠之さんと前総料理長・宮崎英男さんの薫陶を受け、料理人としての料理哲学や芸術性を磨き、同グループ23のホテルチェーンで唯一の女性総料理長となった。樋口さんの総料理長就任と同時に、宮崎さんは料理顧問に就いた。
「クラシック」は、1951年(昭和26年)開業。天皇皇后両陛下を始め、皇室関係者や著名人も利用する格式高いホテルで、地元の新鮮な魚介類で作る「海の幸フランス料理」は評判が高く、国内はもちろん海外の美食家たちが訪れるほど。立地は伊勢志摩国立公園内、真珠いかだ浮かぶ英虞湾の中心に位置する賢島(かしこじま)に建つ。山崎豊子さん原作の小説「華麗なる一族」の舞台となった。「ベイスイート」は、大きな窓からは英虞湾を一望できる全客室50室がスイートルームのホテル。地上5階地下1階建て、延べ床面積1万1,000平方メートル、総工費約48億円を投じた。
樋口さんは「伊勢エビ、アワビをはじめとした伊勢志摩の海産物に、日本全国そして世界各地から取り寄せた食材を組み合わせ、そのハーモニーを楽しんでいただける料理を目指していきたい。志摩観光ホテルでしか味わえない感動の一皿とくつろぎのひとときをご提供できれば」と話す。