伊勢の森の中を駆けるトレイルランニングレース「伊勢の森トレイルランニングレース2014」が12月14日、広域伊勢志摩圏内で最も高い標高555メートルの「朝熊(あさま)岳」(伊勢市朝熊町)一帯で開催された。
今回で3回目を数える同レースは人気が高く、インターネットによる募集受け付け開始わずか35分で定員が埋まるほど(最終エントリー=658人)。
トレイルランニングレース(通称=トレラン・トレイルラン)とは、未舗装部分が75%以上の起伏のある山道をランニングするスポーツで、野山を走るクロスカントリーランニングと登山マラソンの2つの要素を取り入れた陸上競技として、近年人気が高まっている。
同レースは、トレラン第一人者の石川弘樹さんがコースを監修。神宮林が生い茂る林や起伏に富んだ山道を抜け、頂上付近に達すると伊勢湾から鳥羽湾、太平洋を一度に見渡せる景色が美しい。水の流れる川の中を走ったり、絶壁の急斜面をロープを使って登るなどユニークなコースが魅力の一つだ。制限時間4時間30分(朝熊山山頂展望台・10キロ地点を2時間、二瀬橋エイドステーション・17キロ地点を3時間30分)。
コースは、今年10月から「三重交通グループ スポーツの杜 伊勢」と名称を変えた三重県営総合競技場(宇治館町)をスタート、おはらい町、伊勢神宮内宮(ないくう)宇治橋前を折り返し、旧参詣道の宇治岳道から山道に入り、経ヶ峰、朝熊山頂展望台(標高約500メートル)、八大龍王社(標高約555メートル)のある山頂を駆け抜け、二瀬橋道、昼河山登山道から絆の森へ下山し、ゴールの三重県営サンアリーナ(朝熊町)を目指す約20キロ。
「伊勢へ参らば朝熊を駆けよ、朝熊駆けねば片参り」と歌われた詩のごとく、参加者たちはいにしえの人たちがかつて伊勢神宮を参拝した後、朝熊岳金剛證寺(弘法大師・空海が中興したとされる)を目指して登ったであろう参詣道を、トレイルランシューズで踏みしめながら駆け抜け、伊勢の森の大自然を満喫していた。参加者の中には「気持ちいい~」と笑顔で走る人や山頂付近の景色に見とれてペースダウンする人など、思い思いにレースを楽しんでいる様子だった。
参加者は、男性448人、女性124人、計572人で567人が完走した。3位までのレース結果は以下の通り。
男子の部、優勝は大杉哲也さん(大阪府)1時間32分48秒、2位は谷口佳希さん(三重県)1時間34分06秒、3位は森井和幸さん(三重県)1時間34分06秒、女子の部、優勝は佐野亜弓さん(三重県)1時間57分30秒、2位は早川由香里さん(愛知県)2時間02分51秒、3位は東紀子さん(三重県)2時間04分57秒。