伊勢市出身のハーピストでソプラノ歌手の速海(はやみ)ちひろさんが12月21日、鳥羽国際ホテル(鳥羽市鳥羽)のチャペルでクリスマスコンサートを開いた。
伊勢市出身のハーピストでソプラノ歌手の速海ちひろさんのコンサート
速海さんは昨年9月、伊勢で初めてのコンサートを尾崎咢堂記念館(伊勢市川端町)で開催。地元でのコンサートは2度目になった。同ホテルは皇室関係者や海外のVIPなどが宿泊する老舗ホテルで、今年3月に50周年を迎えた。チャペルは、今年9月にリニューアル、「真珠の羽衣」をイメージした内装に仕上げた。同チャペルでのコンサートはリニューアル後初。
当日は、バイオリニストの木下真希さんの演奏を交えながら、英語やカタロニア語、フランス語、イタリア語、ドイツ語などの世界のクリスマスキャロルを中心に全18曲を披露。中にはNHK大河ドラマ「坂の上の雲」のテーマソング「Stand Alone」も。外国語の曲に対しては歌詞の内容を日本語で説明するなど、選曲への思いも伝えた。フィナーレには会場全員で「きよしこの夜」を合唱した。
「コンサート終了後お帰りになられる皆さんが、満足そうな笑顔で良かったと言ってくれたことが私には何よりのクリスマスプレゼントになった」と速海さん。一方、「こうやってコンサートができるようになるまでには、長い回り道の人生だった。夏の『世界ハープ会議』出演が転機となり、やっと自分を肯定できるようになり、迷いがなくなり、いろいろなことが変わり始めた」と告白。
伊勢神宮外宮(げくう)の隣にある「茜社(あこねやしろ、通称あこねさん)」(伊勢市豊川町)宮司の鈴木瑞穂さんは「速海さんに初めて会った時から比べるととても成長し、今日のコンサートはとてもすてきだった」と感想を漏らした。
速海さんは「温かく励まし支えてくれた周りの人に心から感謝。自分を信じて音楽の力を信じて、これからもこの『ハープの弾き語り』という未知の世界に挑戦していきたい」と意欲を見せる。