三重のローカル季刊誌「NAGI(凪)」59(冬)号が、三重県内で息づくモノづくりについて特集している。発行は「月兎舎(げっとしゃ)」(伊勢市馬瀬町)。
三重のローカル誌「NAGI(凪)」59(冬)号は県内で息づくモノづくりについて特集
「がんばれ!ローカル・プロダクツ 伝統産業の未来(あした)」と題した特集。編集人の坂美幸さんは「身近な地域で作られている古くて新しい地場産品を、普段の暮らしの中でも使ってもらいたい」と思いを込める。
桑名鋳物(桑名市)の鋳物で作った「ごはん釜」や「鉄臼」、四日市の伝統産業「萬古焼」を守る竹政製陶(四日市市東阿倉川)の「ウオーターリッド鍋」(3,240円~)は、ふたの上に水を入れるアイデアがヒットしフランスの「ハビタ」や全米を中心に鉄板焼き店を展開する「BENIHANA(ベニハナ)」などで取り扱われている。
そのほか、鈴鹿の「伊勢型紙」や津の「伊勢木綿」、松阪の「松阪木綿」、熊野の「市木木綿」なども取り上げる。臼井織布(津市)が製造する伊勢木綿を使った商品は、伊勢市に店を構えるショップ「衣 伊勢木綿 臼井織布」(伊勢市本町)と「ichishina」(宇治今在家町)が、それぞれかばんや名刺入れに。伊勢市出身のデザイナー山川涼子さんは伊勢木綿で作ったファッションブランド「RP WORKS」を立ち上げた。
坂さんは「のれんを受け継いだ当主の気概と産業を守ろうとする職人たちのたゆみない努力。三重の風土と歴史に育まれてきた伝統産業がアップデートされている。本誌で、地場産業の未来をほんのり照らすローカルプロダクツを知っていただければ」と話す。
価格は、700円。三重県内の書店などで発売中。