古事記に登場する力持ちの神様「天手力男命(あめのたぢからおのみこと)」を祭る「佐那神社」(多気町仁田)で3月13日、神様の引っ越し「遷座祭」が行われた。
同神社は、スポーツ・力の神様「天手力男命」、占いの神様「曙立王(あけたつのみこ)」、芸能の神様「天宇受売命(あめのうずめのみこと)」などを祭る。創立年代は不詳だが、古事記に「手力男神者坐佐那懸也」と記載されていることから1300年以上の歴史があると考えられている。
天照大御神(あまてらすおおみかみ)が岩穴の中に隠れて世の中が真っ暗になりそれを憂い神々が協力し合いながら天照大御神を岩の中から出す作戦を展開する「岩戸伝説」で、天手力男命は岩戸を力ずくで動かした神様、天宇受売命は岩戸の前で神々を笑わせながら踊った神様。曙立王は超能力を持つ占いの神様で古事記にも登場、第11代垂仁天皇の悩みを占いで解決したとされる。
1908(明治41)年に同地区にあった神様を合祀(ごうし)してから数えると今回で6回目になる遷座祭。19時になると同神社の宮司山下高史さんが祝詞を読み上げた。同神社氏子ら30人によって神様が仮殿から新しくなった本殿に遷(うつ)された。20年ぶりにこれまで本殿の傷んだ部分だけを修復して行われてきた同祭だったが、今回は本殿を新しく建て替えた。
同神社の遷座を祝う「式年遷座奉祝祭」が同29日、同神社で行われる。