伊勢の皇学館大学に新入学生834人、昨年よりも71人増加

伊勢の皇学館大学に新入学生834人、昨年よりも71人増加

伊勢の皇学館大学に新入学生834人、昨年よりも71人増加

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 創立133年を誇る皇学館大学(伊勢市神田久志本町)の入学式が4月3日、同大記念講堂で行われ、文学部、教育学部、現代日本社会学部などの新入学生計834人が新しい黒のスーツ姿で式典に臨んだ。

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 今年度の入学者数は、文学部393人(神道91人、国文96人、国史99人、コミュニケーション107人)、教育学部260人、現代日本社会学部132人、計785人(男482人、女303人)(昨年度は計722人)。そのほか大学院16人(男8人、女8人)、神道学専攻科28人(男20人、女8人)、2・3年次編入学5人(男5人、女0人)を合わせると計834人(昨年度は763人)。出身地は北海道から沖縄まで。

 式典で清水潔学長は「4年間の学びを通して人間性をみがき、己の価値と使命は何かを探求し、学びの成果を社会に生かす道を見出してほしい。本学の学風は『稽古照今』。古事記の序文に見える言葉で、歴史に学び、現在・未来のあり方、進むべき方向を照らそうとするもの。謙虚に敬虔(けいけん)に中正堅実な日本の教学を確立するため、諸君のはつらつとした闊達(かったつ)な研さんを強く期待する」と式辞を述べた。

 清水学長は式辞の中で、「海外からの研究者や学生を受け入れ留学生の派遣や留学支援を積極的に進めていくこと」、文科省から「地(知)の拠点大学」として採択されたことを受け「自治体や地域、産業界と手を取り、地域貢献人材の育成を目指すためのカリキュラムを今年度から始動させること」など大学の方針についても言及した。皇学館大学・佐古一洌(かずきよ)理事長、伊勢神宮・鷹司尚武大宮司も式典に出席した。

 文学部国史学科・愛知県出身の岸岡史将(ふみまさ)さんは「日本の歴史について深く学びたい。好きな歴史上の人物は、吉田松陰」。同部教育学部教育学科・津市出身の谷口大知さんは「中学の時に習った先生に憧れその先生のようになりたいと思い、教師の道を目指そうと思った」意欲を見せる。

 昨年度三重県の教員採用試験に合格した卒業生は、小学校75人、中学・高校17人、特別支援2人の計94人。小学校教員採用試験に関しては、合格者238人中の75人(31.5%)で、国立の三重大学(津市)を退けて、3年連続1位の実績を持つ。

 同大は1882(明治15)年、林崎文庫(宇治館町)内に神宮の教育機関として創立。1903(明治36)年から内務省所管の専門学校として、1940(昭和15)年からは文部省(当時)管轄の官立(国立)大学として、神職や教員の人材育成の場を担った。連合国総司令部(GHQ)の「神道指令」により1946(昭和21)年に廃学となり、その後大学再興運動によって1962(昭和37)年に私立大学として再興。初代総長は吉田茂元首相、第二代総長は岸信介元首相。

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