天照大御神(あまてらすおおみかみ)に奉納する衣「神御衣(かんみそ)」を織る作業が5月1日から、伊勢神宮内宮(ないくう)所管社の「神服織機殿神社(かんはとりはたどのじんじゃ)」(松阪市大垣内町)と「神麻続機殿神社(かんおみはたどのじんじゃ)」(同井口中町)で始まった。
5月1日の「神御衣奉織始祭」から約1週間掛けて織り、織り上がった神御衣は乾かした後確認し、同13日の「神御衣奉織鎮謝祭」までに完成させなければならない。神服織機殿神社では「和妙(にぎたえ)」と呼ぶ絹を女性4人が、神麻続機殿神社では「荒妙(あらたえ)」と呼ぶ麻を男性4人が、それぞれ毎朝8時から夕方まで、昔ながらの機織り機を使って織っている。
神御衣を織るための作業所「八尋殿(やひろどの)」は、5月(のこの期間)と10月(10月1日~13日)に行う作業だけのために建てられたもの。この時期に同神社を訪れると、「タントンタン」「タントンタン」とひっそりと佇む鎮守の杜の中から機織りの音が心地よく響き、鳥達のさえずりと共にハーモニーを作っている。
出来上がった和妙と荒妙は内宮まで護送され、5月14日に内宮の正宮と荒祭宮で行われる「神御衣祭(かんみそさい)」に奉納される。