伊勢市出身の詩人・竹内浩三の作品や生き方を後世に残そうと活動する「赤門三ツ星会」(伊勢市岩渕)が5月10日、恒例の「誕生祭」を行い、竹内の生誕の地に詩碑を建立した。
竹内浩三は1921(大正10)年5月12日生まれ。宇治山田中学(現・宇治山田高校)卒業後、映画監督を志し、日本大芸術学部に進学するが、1942(昭和17)年に入隊し、1945(昭和20)年4月9日、残り1カ月で24歳となろうとする若さで太平洋戦争フィリピンバギオ島で戦死。楽曲「島唄」で知られるTHE BOOMの宮沢和史さんは著書「詞から詩へ」(河出書房新社)の中で宮沢賢治や中原中也らと共に竹内を紹介し、自ら「骨のうたう」を朗読しCDに収めている。
詩碑は、スーパーマーケット「ぎゅーとら八間通店」(同市吹上)の敷地内で、時代劇ドラマの主人公で知られる「大岡越前守忠相(ただすけ、山田奉行当時は能登守)」が第18代奉行を務めた山田奉行所跡(その後同市御薗町小林に移転したため大岡越前守は移転先で就任)に建立。竹内の生家は山田奉行所跡にあった。
詩碑は縦90センチ、横120センチのアルミ製で、同会が「多くの人に竹内浩三の作品に触れてもらおう」と2年前から市内の各所に設置している。今回の詩碑には竹内が描いた漫画と共に竹内が詠んだ「うどん」「しかられて」を刻んだ。詩碑の除幕式には、同会代表の岡田美代子さんや作家で画家のよしだみどりさんら約30人が出席した。
竹内の誕生日(5月12日)前後に毎年行っている恒例の「生誕祭」では、竹内の詩の朗読のほか、明倫小学校、厚生中学校、宇治山田高校、伊勢高校の児童生徒らも参加、厚生中美術部のメンバーは朗読の後、詩から感じたことを表現した絵を展示した。