茶道や華道、和服の着付け・和裁、書道など日本の伝統文化を総合的に伝えようと活動する伊勢の爪橋静香さんが主宰する爪橋社中が10月17日・18日、35周年記念作品展を宿泊施設「朝日館」(伊勢市二見町)と「旅荘 海の蝶」(同)で行った。
爪橋さんから日本の伝統文化を学ぼうと約50人の門下生でつくる爪橋社中。この日は、朝日館で門下生たちの和裁や書の作品の展示と、昭和天皇も宿泊された「雲井の間」での茶席を開き、旅荘 海の蝶では全長7メートルの杉の枯木や梅の枯木などを使った爪橋さんによる生け花の展示などがあった。
爪橋さんは、宇治山田高校(伊勢市浦口)、文化服装学院(東京都渋谷区)を卒業し、表千家教授(雅号=紹香じょうこう)、真生流家元正教授(同=静華せいか)、東京大塚末子きもの学院(現大塚きもの・テキスタイル専門学校)(東京都新宿区)着つけ講師、日本文化コーディネーター(舞台装飾・空間美術)、五十鈴塾(伊勢市宇治浦田)講師などを務める。
昨年喜寿を迎えたというのに好奇心旺盛で童心を忘れない爪橋さん。1988年の辰年の正月、稲わらを使って文字を書いたことがきっかけとなり、浄心流雲龍(じょうしんりゅううんりゅう)を興し宗家となった。2003年には、竹林の中に茶室「竹光庵(ちっこうあん)」(度会郡玉城町)をつくり、子どもから大人までの生徒に日本の伝統文化を教えている。
爪橋さんは、「日本の着物の素晴らしさを伝えるためには、まずは和裁を教えなければ。そしてそれを上手く着こなせるように着付けも…。日本の伝統文化をもっともっと多くの人に知ってもらわなければと思っていたら、お茶もお花も書道も教えるようになっていった(笑)。これからも多くの人に日本の素晴らしさを伝え続けていきたい」とさらなる意欲を見せる。