伊勢神宮外宮(げくう)前にあるフレンチレストラン「BonVivant(ボンヴィヴァン)」(伊勢市本町、TEL 0596-26-3131)が、1キロ以上の重さがある巨大伊勢エビをまるごと1匹使ったフレンチコースの提供を開始した。
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同店は、天照大御神(あまてらすおおみかみ)の食事を司る豊受大御神(とようけのおおみかみ)を祭る外宮前に位置し、1923(大正12)年に建てられた旧逓信省・山田郵便局電話分室を店舗に改装し営業する。白いモルタルを塗ったレンガ造りの壁と赤い屋根瓦が特徴だ。第62回式年遷宮があった2013年に開業30周年を迎えた。
1キロ以上の重さがある巨大伊勢エビは、漁港単位では全国トップクラスの生産量を誇る和具漁港(志摩市志摩町)で取れた伊勢エビの中から1キロ以上のサイズのものだけを扱う。1キロ以上の伊勢エビは珍しく貴重なことから地元の人は「和具長寿伊勢エビ」と呼ぶ。
同店オーナーシェフの河瀬毅さんは「通常、当店で利用している伊勢エビは300グラム前後。その3倍以上の重さの大きな伊勢エビまるごと1匹を使ったコースなんです。昔、ニースのジャック・マキシマンというシェフが『オマールエビの3回サービス』(ハサミでサラダ、殻はソース、胴体で…)というコース料理を出していたのをヒントにした」と説明する。
料理は、伊勢エビの尻尾4分の1の身を半生でリンゴの木の煙で薫りつけし瞬間薫製にし仕上げ、伊勢周辺の農家が育てた生野菜を添えオリジナルドレッシングで。伊勢エビの頭半分のミソを裏ごししたフラン(タマゴ、生クリームで作る洋風茶碗蒸し)。伊勢エビの頭半分とタマネギ、ニンジン、トマトなどで煮込んだスープ。メーンは頭半分と尻尾半分をシンプルにボイルしアメリケーヌソース、残りの尻尾4分の1を鉄板で焼きブルギニヨンソースをそれぞれ添えた。
「大きいからといって決して身が硬いとか、大味とかいうわけではなく、いつも使う伊勢エビと味はほとんど変わらない。『和具長寿伊勢エビ』は素材の味を生かしたバリエーションの富んだ料理ができるので調理人にとってはとても楽しめる食材だし、ネーミングも縁起がいい」と河瀬シェフ。「1キロ以上の伊勢エビが入荷できないこともあるので必ず確認して予約して欲しい。また1月中は毎年混雑するのでご提供できないこともあることご了承いただければ」とも。
同コースの料金は1人前1万9,440円~(伊勢エビのサイズに合わせて価格の変動あり)。営業時間は12時~15時、17時30分~22時。月曜定休。