伊勢志摩国立公園指定70周年を記念したプレイベント「初日の出シーカヤックエコツアー」が1月1日の早朝、伊勢志摩サミットが開催される志摩市の阿津里(あづり)浜(志摩町)で行われ見事な初日の出に参加者は感動のひと時を過ごした。
【その他の画像】初日の出シーカヤックエコツアー、初日の出に歓喜
同イベントは、伊勢志摩国立公園協会(鳥羽市鳥羽)が主催し、同公園内をフィールドに体験ツアーなどを行う志摩自然学校(志摩市大王町)が協力し、シーカヤックに乗って水平線からの初日の出を見ようと企画したもの。
元日の6時に集合した参加者は、6時30分に一斉にシーカヤックに乗り込み太平洋に浮かぶ大島と小島が見える位置まで移動し、初日の出が上がるのを水面で待った。水平線上に雲があったので心配したが、日の出時刻の7時1分には見事な朝日が顔を出し歓喜に湧いた。この日は朝から風があったが、阿津里浜ではほとんど風の影響を受けずに、穏やかな一日になった。海から上がると参加者全員で交流会を行い、伊勢エビやカキ、ヒオウギガイなどの海の幸や餅を焼いたりしながら新年を祝いあった。
岩手県花巻市から参加した駿河志帆さんと娘の虹花(ななか)さんは「飛行機に乗ってわざわざ来た甲斐があった。途中伊勢神宮の初詣での渋滞に巻き込まれて集合時間に間に合うか心配したが、来て良かった。本当に感動した」と口をそろえる。
同公園は、戦後初・全国13番目の国立公園として1946(昭和21)年11月20日に国の指定を受けた。伊勢市、鳥羽市、志摩市と南伊勢町にまたがる志摩半島一帯の陸域5万5544ヘクタール、海域1万9100ヘクタールの面積を有し、入り組んだ入り江が美しいリアス海岸と多島風景、真珠の養殖イカダ、太平洋の海でアワビやサザエなどをとる海女の姿、悠久の歴史を有する伊勢神宮とその背後の自然豊かな杜が特徴の観光地。
同協会事務局長の滋野峻さんは「今日は、伊勢志摩国立公園指定70周年を記念するのにふさわしいプレイベントとなった。11月にはさまざまなエコツアーなどを開催するので多くの人に参加してほしい。さらに5月には伊勢志摩サミットも開催され、この伊勢志摩が世界中から注目されるおとになるだろう。ポストサミットのイベントとしても盛り上げていきたい」と話す。
志摩自然学校校長の生賀照央さんは「今回の『初日の出シーカヤックエコツアー』。最初で最後の伝説になるかも…。奇跡が起きた(笑)。志摩自然学校では、伊勢志摩の大自然の中で行うさまざまな体験メニューを取りそろえているのでぜひ参加して体感して欲しい」と呼び掛ける。