伊勢神宮が敷地内にある「旅荘 海の蝶(ちょう)」(伊勢市二見町松下、TEL 0596-44-1050)の駐車場に1月27日、EV(電気自動車)普通充電器24台が設置された。
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同館は、伊勢神宮125社の1社「粟皇子(あわみこ)神社」が敷地内にある唯一の宿泊施設。全室オーシャンビューの客室は57部屋(定員261人)、岬の高台に建ち正面には飛島が浮かぶ。
設置したEV充電器はNEC製で経済産業省の外郭団体・次世代自動車の普及と社会インフラ整備を進める次世代自動車振興センター(東京都港区)の補助事業「次世代自動車充電インフラ整備促進事業」などを使い設置した。同館を運営する勝浦御苑(和歌山県東牟婁郡那智勝浦町)社長の中照策(しょうさく)さんは、「一度にEV普通充電器24台の設置は、国内の宿泊施設の中で最多だと思う」と自信を見せる。
オープニング式典では、伊勢市副市長の藤本亨さんや三重県環境生活部次長の林秀樹さんらが出席、テープカットの後、EV充電器からEVに充電する開通式が行われた。この日は日産自動車の満充電で280キロメートル走行可能だという新型EV「リーフ」9台とBMWの満充電で160キロメートル走行可能だという新型EV「i3」5台、プラグインハイブリッド(PHV)のスポーツカー「i8」1台の展示も行われた。
中さんは「伊勢志摩サミットに先駆けこの地域で、エコをアピールできることはとてもうれしい。今後EVのカーシェアリングも利用できるように準備を進め、電車で来たお客さまがここを拠点に伊勢志摩の観光地をEVで巡れるようなエコツーリズムを推進していきたい」と意欲を見せる。
林さんは「三重県では2020年までに県内に700カ所のEV充電器の設置を目指している(現在約250カ所に設置済み)。充電器の設置はEV普及にも有効。環境に優しい旅館・旅行のモデルケースとして注目したい」とエールを送る。
三重日産自動車のリーフの販売台数が県内17店舗中最多だという伊勢神久店(伊勢市神久)の本多亮介さんは、「現在、リーフは全国に約5万台が走っている(EV全体では約11万5000台)。広域伊勢志摩圏内には急速充電器23台(伊勢14、鳥羽志摩7、多気1、大台1)、普通充電器47台(伊勢17、鳥羽15、志摩15)あり、今回の24台で普通充電器が71台になった。EV充電器の設置箇所が増えればさらにEVにも興味を持ってもらえるようになる」と話す。