南伊勢町内瀬(ないぜ)地区の「アサヒ農園」(度会郡南伊勢町内瀬)が生産している高級かんきつ品種「せとか」が4月8日、完売した。
【その他の画像】「せとか」を大切に選別するアサヒ農園・田所一成さん
「せとか」は、「宮川早生(わせ)」と「トロビタオレンジ」から生まれた「清見」に、「キング」と「地中海マンダリン」から生まれた「アンコール」を掛け合わせ、さらに「マーコット」を交配して育成し、それぞれの長所を併せ持つという品種。
外果皮が柔らかく手でも簡単にむけ、内皮(じょうのう膜)も薄くそのまま食べられる。味は濃厚で果肉はジューシー、種が無く香りも豊かで糖度も高いのが特長。ファンの間では「柑橘(かんきつ)の大トロ」「幻の柑橘」などと呼ばれている。
同園によると、栽培は温州みかんなどよりも手間が掛かり、生産量が少ないため価格も高い。「銀座千疋屋(せんびきや)」(東京都中央区銀座)では、ほかの農園で栽培された5個化粧箱入りを8,424円で販売しているという。
同園で栽培した「せとか」は、銀座千疋屋、「産直市場 みなみいせ」(伊勢路)、リピーターによる口コミだけで販売している。
同農園5代目の田所一成さんは「贈答用箱入り『せとか』が早々に完売した。今年は収穫前から例年の倍以上の予約注文が入り、販売から10日あまりで昨年の1カ月分が売れてしまった。言い訳になるが、今は小さなハウスで作っているので限られたわずかな物しかできないが、生産量を少しでも増やそうと別のハウスに新たに『せとか』を植えた。これからもおいしい『せとか』を作っていきたい」と話す。