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温州みかんの白い花が満開、ハウスの中はすでに春-南伊勢町「アサヒ農園」

温州みかんの白い花が満開、ハウスの中はすでに春-南伊勢町「アサヒ農園」

温州みかんの白い花が満開、ハウスの中はすでに春-南伊勢町「アサヒ農園」

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 南伊勢町内瀬(ないぜ)地区で柑橘類を栽培するアサヒ農園(度会郡南伊勢町内瀬)のビニールハウスの中では現在、満開の温州みかんの白い花が咲き乱れている。

【その他の画像】南伊勢町「アサヒ農園」でミカンの花が満開

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 同農園5代目の田所一成さんが、満開の白い花が美しく、いい香りで充満するハウスの中でせっせと咲き過ぎた花を手で払って落としている。温州みかんは種ができないまま果実が成長する単為結果(たんいけっか)性が強い植物で、花が咲いても受粉をさせる必要がない。花を落とす作業は、「残った花弁が腐ったりして形が悪くなったり味に影響するから」(田所さん)という。

 約2ヘクタールの農地に温州みかんのほか、デコポン、セトカ、ハルミ、カラー、レモンなどを栽培する同農園。約3アールの栽培面積をもつビニールハウスには500本以上の温州みかん(興津早生おきつわせ)を栽培する。

 田所さんは「ハウスの中は18度~28度の室温で管理、もうすでに春の状態。花がたくさんついているが全ての花がミカンになると、ミカンの重さで木に負担が掛かるし味にもバラつきができるほか、翌年以降計画的にミカンを育てることができなくなる。2回の生理落果(自然に果実を落とす植物本来の性質)と摘果で一枝に4~5個の実を残すと、8月の初めには最高の温室ミカンが出荷できる。この地方の風習でお盆前のお供え用として温室ミカンの需要が多い」と説明する。

 冬でも温暖な気候と、排水・通気性の良い土壌、南向きで海に面する山の急傾斜面を利用してできる南伊勢町のミカン栽培は、約100年の歴史を持つ。1944(昭和19)年12月7日に発生した東南海地震による津波で、収穫したばかりのミカンが流され、翌日には周囲の浜がミカンでオレンジ色になったというほど。

 同農園など4つの事業所が組織した内瀬柑橘出荷組合(同)は「内瀬みかん」をブランド化しようと、品質管理などを徹底し、同名での商標も登録した。適度な酸味と甘味を多く含んだ薄皮で食べやすいミカンが人気で地元顧客だけの注文で県外にはほとんど出回らないという。

 田所さんは「自分の代に変わってから17年。ミカンの栽培は今でも父(洋一さん)にはかなわない。いつかは父を超え、ミカン栽培を極めたい」と意欲を見せる。

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